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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

454隊長:2010/11/08(月) 11:34:58
基地で発生した火災に作業用MTまで駆り出されたものの事態は一向に鎮静化せず、原因となるACの排除に躍起になる同部隊のMTが無駄弾を撃ちまくるせいで
作業用MTの仕事は増えていく一方だった。
変形していた時の直線的な動きとは違い、現在のヘルストーカーは縦横無尽に飛び回る。
建造物を難なく飛び越え下に構えていたMTを頭上から吹き飛ばし、爆発に身を隠しては敵の前から姿を消していた。
敵の目標地点を理解しているMT部隊はレーダー施設周辺に陣を張るが、建物の隙間にチラついたACの影をむちゃくちゃに撃ちまくる姿は頼りないものだ。
建物越しに撃ち込まれた分裂式多弾頭ミサイルを着弾する前に迎撃するが空中で起きた爆発とそれに伴う粉塵、砂嵐、黒煙は部隊の視覚を完全に機能させず。
無論それはレイヴンにとって好機となった。
炎と黒煙の中から突然現れたAC、敵に対処しようと銃口を向けるMTに対し腕部一体型の武器が蟹の鋏のようにMTの腕を掴む。
バレル内の電磁加速コイルの連続体が視覚化した電気の渦を見せつけ弾頭射出用バレルから粒のような弾を衝撃と共に撃ちだす。
初速と弾速を底上げされた弾頭は掴んでいた腕を貫きMTを粉々に砕いて後方にあった施設の一部ごと吹き飛ばした。
バレル展開、放熱強化した腕部兵装は、正面にいた障害物がなくなったことで最大限の威力を目標に与えることが可能となった。
炸薬と電磁加速時の火花が眩しく、排出される薬莢はその数だけ弾を撃ったことを教えてくれる。爆発の煙で右往左往するMT部隊を尻目に、男は目標の施設を完全に破壊したのだ。
「ミッション完了だ。これより―――あぁ、通信不可だったか…」
男は何も言わず黒煙が晴れる前にその場を離れた。
施設から離脱する際、残りのMT部隊に攻撃するのが面倒だったため飛び交う弾を避けながらの撤退を試みたが、一発の弾が装甲を削った。
ムキになって反撃に出るのも癪だと感じた男は、気晴らしに近くの作業用MTの脚を引っ掛けて影の中に姿を眩ませた。


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