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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

448隊長:2010/10/06(水) 01:06:13
圧倒的と言う他ならないだろう、目前の光景は。片腕に3種類以上の武装を施された改造ACは近づくMTを片端から葬り去っていく。
右腕の甲のENマシンガンは数発でMTの装甲を貫通し、マニピュレーターに持つパルスライフルは装甲ごとMTの内部を焼きつかせ、下部に搭載されたグレネードが施設諸共部隊を薙ぎ払う。
左腕の甲にある高出力ENブレードが敵を切り刻むと同時に下部のレーザーライフルが後の敵を撃ち抜き、建造物に身を隠くすMTの部隊を背中のリニアガンが襲った。
ACはただ歩き近づく敵遠ざかる敵を撃てば良いだけのことだった。少女にとっても難儀な操縦ではなく、脱出まで道程はあまりにも短かった。
『周辺に敵反応なし、右腕マシンガン、グレネード、左腕レーザーライフル、荷電射出機、残弾数0』
AIが告げると同時に少女は胸を撫で下ろし、使えなくなった武装をパージ。爆発と黒煙に包まれた基地を無事脱出した。



――オールド・ザム 上層通風施設――

『了解、システム自動操縦に移行します』
少女はACのコックピットを抜け出した。その際男からもらったマスターキーを大事そうに握っている。
先刻、この施設に到着しモードを通常へと移行させた際、接続端子を通して男の声が聞こえた。なんでも少女のために隠れの別荘を用意したようで、この計画事態も随分前から考えていたようだ。
そしてその声は何度も何度も謝っていた。能力のない俺が極秘の仕事の責任者に選ばれた時は喜んだが、考えてみれば丁度いい汚れ役にされただけだったなどの内容も含まれていた、実験体の少女を初めて目にしたとき、どうにかして逃がしたいと考えていたらしい。
それを知った時少女は何度も自分の口でありがとうを言った。彼を思い出し泣きそうにもなった。それでも彼女笑顔を作った、言葉の最後に「笑顔でいろ」とあったから。
少女は施設を出たとき、眩しさに目を瞑る程の直射日光を体験した。その時流した一粒の涙は眩しかったからか、彼の為のものなのかは知る由もない。


おわり


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