したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

447隊長:2010/10/06(水) 01:05:38
突然鳴り響いたアラートに基地内はてんてこまいだった。技術主任であるあの女性も夜中に呼び出され、事態を大筋を聞いたこともあって青筋を浮かべている。
「あんのロリコンじじいがあっ!」
テーブルが凹む勢いで拳を叩きつけたので女性の指は赤みがかったがそんな痛みもどうでもいいと鼻息を荒くした。動揺する兵はできるだけ距離を取り報告を続ける。
「計画責任者は先程実験体を隔離していた部屋で死亡が確認されました」
「そんなことはどうでもいいの!実験体は今ドコ!!」
「はっ!現在実験用格納庫にてAC〝X-025A-2J〟に乗り込んだもよう、遠隔操作で緊急停止コードを入力しましたがこれに受け付けず、メインコードが書き換えられているようでコチラからのコードは全て受け付けません!」
「………この際実験体の生死はどうでもいい、情報の流出を防ぐのが最優先。MTを何機でも出撃させていいわ!絶対に基地から出さないでちょうだい!!」
「し、しかし――
「はやく!!!」
鬼の如き形相の女性から足早に離れる兵は無線で各格納庫と連絡、MTの出撃命令を知らせた。女性は近くに掛けておいた白衣を着てこちらも足早に実験用格納庫へと向かった。
途中武器を持って格納庫前を陣取っている警護兵からの止められるのを黙らせ、格納庫のモニタールームに入る。そこで女性は少女とのコンタクトを試みたのだ。
「聞こえるでしょう?貴方がやっていることがどれ程の人間に迷惑を掛けているか理解してる?」
子供を叱るような口調で彼女は強気に少女へと語りかけた。彼女にとっては所詮子供、上からの物言いで屈すると考えたのだろう。
その後も煽るような言葉を使いACから降りればまだ許されるなど説得に努力したが、いつまでも答える様子のない少女にとうとう堪忍袋の尾が切れたようだ。
「なんとかいいなさい!!それとも貴方は最強の力を手にしたとでも思っているの!!?」
『その通りです。とても良いACを用意してくれてありがとう、はじめておばさんにかんしゃします』
そういってやっと動きを見せたACはモニタールームに右腕を向けた。右腕一つに幾つも装備された武装の中からパルスライフルが選択され可動した。バレル内でENコイルが回転、高熱を生み出す。
『あと、自分から出てきてくれましたし、探す手間が省けました。……だって一番殺したい人だったから―――
ENコイルが勢いよく押し出されバレル内で作り出された高熱のENリングが反転、射出させられる。モニタールームを眩い光が被った次の瞬間には熱を帯びた真円の穴が開き、そこにあった物体を全て蒸発させた。


目標のいる格納庫で動きがあった、シャッターが隔離用防壁ごと吹き飛んだのだ。爆発と炎で格納庫内を確認できないMT部隊は警戒を怠らずにゆっくりと近づいていく。
部隊の内一機のMTが爆発で開いた穴からの突入を試みた、サブカメラとメインカメラを駆使して格納庫内を覗き込んだあとブースターを一瞬だけ点火し加速、問題ないと判断し通信で援護要員を呼び込んだ。
同じ穴からもう一機入ろうとした瞬間、最初に突入したMTがコックピットを撃ち抜かれて倒れてきた。それ支えた味方も同様に支えたMTごとコックピットを撃たれ沈黙した。
そしてシャッターをブチ抜きながらACはその巨体を部隊の前に現したのだ。
『――My turn』
ACは両腕を広げると腕に複数装備された各武装を展開する。少女の声と共に突きつけられたACの眼光がMT部隊に畏怖の念を植え付けた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板