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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

439LO隊長:2010/06/12(土) 19:26:01
未だ影が壁や天井に張り付き、今が昼か夜かさえわからない廊下。
二人は座っていた。
動揺に動揺を重ねたマグマスピリットは、今にも頭から煙を噴出そうだった。
真っ赤な顔を紅い髪を垂らすことで隠している。
レイヴンはそんな彼女を、この世のものとは思えぬ気色悪い歪めた笑みで見つめている。
犯罪者予備軍の顔、そう言えば理解できるだろうか。
「トップランカーの貴方がどうして此処に…?」
俯き加減で聞いた彼女は、彼の顔を見ずに済んだ。
レイヴンはその声すらも楽しむように、彼女の声を何度も頭の中で反芻し、ねっとりとした湿り気を漂わせる声で答えた。
「いや何、たまには別の道を歩いてみようと思っただけ…偶然だ」
もちろん嘘だった。
はぁそうですかと返すマグマスピリット、格上の相手と二人っきりのこの空間は彼女にとって居心地は最悪だった。
それに加え先の言葉、トップランカーの言ったあの言葉がどうしても頭を離れない。
資金提供を受けるような彼女ではないが、最近負け続きでこの上ない魅力を感じさせる。
だが、話をコチラから切り出すのも申し訳がなかった。
もちろんその手間は、レイヴンが取っ払ってくれたが。
「資金で悩んでいるようだが…私で良ければ提供しよう。無論無償でだ、大きな額を動かすのは運営に睨まれるだろうが私の行いなら
対応も甘くなるだろう、抵抗があるならACパーツという形でもいいが?」
何時もの彼女ならバッサリと断っていただろう。
だが時期が悪い、悪すぎたのだ。最早彼女の中の天秤が悪い方に傾くのも時間の問題だった。
膝の上に置いた両手を固く握る。彼女は決心した。
「…じ、条件を付けてもいいですか?」
「いいとも」
「一つのパーツだけで済ませて下さい、色々貰うのはとても申し訳ないです。…そ…ソソそ、それと――」
「それと?」
「どんな事でもいいので!わ、私に!何かやらせて下さい!貴方のACを洗ったり、ガレージの雑巾がけでも何でも!
私の身体一つで、出来ることなら何でも言って下さい」

レイヴンはこれを待っていた、彼はド外道だった。


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