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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

435LO隊長:2010/05/27(木) 14:49:38

「妄想添加物〝ヴァッハフント〟」


男はベンチに腰掛けていた。
ガラス張りの天井の下、木漏れ日に目を瞬かせながらどこか遠くを食い入るように眺めている。
その鋭い目付きを隠すように伸びた前髪、覗かせる口元は時折息を荒くしてその形を不気味に歪めた。
男の視線の先、出店屋台のホットドック屋が看板横のラジカセから能天気な音楽を垂れ流していた。
少し禿げた頭を帽子で隠す店主は接客中、トッピングをどれにするかで頭を悩ませる少女が一人。
男は少女を見つめていたのだ。
ワンサイズオーバーのぶかぶかな長袖シャツから伸びる細い手足、店主の半分もない身の丈が可愛らしい。
肩まで伸びた艶やかな髪は寝癖を直していないせいか所々がはねていた。
微かに見えるうなじに背中へと伸びるラインがなんとも悩ましい。
太もも辺りの柔らかそうな肌とおにくにスパッツの食い込みが目立ち、男の何かを熱くたぎらせる。
やっとこ決めたトッピングのホットドックを店主から受け取り、咥えていた紙幣を店主に渡した。
もちろんその光景を男が見逃す筈もなく。
少女が走っていくとすぐにベンチから腰を上げ、ホットドック屋目掛け物凄い形相で走っていく。
その表情の歪みようたるや、店主が受け取った金をカウンターに落とす程のものだ。
ましてや大男がその顔で店目掛け全力で向かってくるのだから無理もない。
「店主、すまないがホットドックを一つ!釣りはコレで良い!」
そういって桁の一つ違う紙幣を店主に握らせカウンターの上のまだ湿っている紙幣を優しく拾い上げた。
「そのホットドックは次の客にでもやれ」
男は逃走した。
店主はあまりの出来事に腰を抜かす。僅か30秒での事である。
逃走を終え人通りの少ない場所に行き着いた男は、ハンカチで包んだ紙幣をそっと鼻に近づけ、その湿った部分の香りを堪能する。
少し迷った後に、口元に運んで舌を這わせようした…が
「駄目だ!俺には出来ない!!これをやったらヴァッハフントたんを汚してしまうっ!」
そういってもう一嗅ぎした後、ハンカチで包みなおしそっとポケットにしまった。


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