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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

422LO隊長:2010/05/09(日) 22:18:03

「青空の向こうの飛行機雲」


青い空、さんさんと照りつける太陽の下で、大地はその色を赤く染めたのだろうか。
オーブンから取り出したばかりの料理のように砂は赤く熱く、向こうの景色が微かに歪んでいる。
ひび割れた地面の上にどっしりとその身を預ける岩山、砂に比べ彼等は随分と黄みがかっていた。
荒地と言うに相応しいこの赤い荒野に気の利いた緑などなく、枯れ草の塊がただころころと風任せに
砂の上を転がっているだけだった。
砂が剥げ、乾燥した地盤を幾度も踏みつけることによって出来たであろう道路、舗装もされていない
この道路がこんなにも目立つのは、この場所にそれ以外見るべきものがないからだろう。
だが、本当に何もないワケではない。
この道路を道なりに進んでいくことで、やっとこさ人工物と呼ぶに相応しい物が見えてくるからだ。
そこにあるのはなんとも寂れた雑貨店だった。
屋根、壁はその化粧である塗装が剥がれ、下地の木目が露出している。
その上何年も砂の混じった風に晒されたせいだろう。壁はそこらじゅうが削れて隙間だらけになっていた。
煤けた看板がなんとも哀愁を漂わせる。

〜フィリアム雑貨店〜

本来ならば屋根に取り付けられていた看板は、今や入り口の横に立て掛けられているだけだ。
横に置いてある植木鉢から伸びたツルに巻き込まれ、それらが枯れているのを見るにかなりの年月を物語っている。
これだけ並べてもまだ言葉に困らない程、この建物は古めかしいものだった。
突然、両開きの扉が勢い良く開かれる。
飛び出してきたのは少女だった。この場には少し…かなりの違和感を覚える程、身形の整った少女。
太陽のように輝く金の髪、降り注ぐ日の光を浴びて眩い白のドレスはフリルが至る所に飾られている。
セットの帽子には大きなリボンも付いていた。
ピカピカの革靴が砂を蹴るたび、少女は機嫌良さげに鼻歌を交えた。


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