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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

420隊長:2010/04/23(金) 17:04:36
あらゆる金属音を重ねて交えて潰したような、喚き声様々に鳴く歩兵を前に、空から降った奴がいる。
空から此処目掛けてブーストを吹いて、コンクリートを蹴散らし土を抉って、二本の脚を地面に突き立てた。
俺はコレが兵器だとは到底思えなかった。映画に出て来るような、ストーリーの一部に過ぎない、もっと言えば
美術館に飾ってある大きな彫刻だって言った方がまだ現実味がある。
10mを超える人型、手や肩に背負う大型の砲身機関、無骨な装甲、自身に影を落とし塗装すら忘れさせるその暗い巨体の影の中で
輝く眼光、アーマードコア。
今まさに、世界でもっとも優れた兵器が目の前で稼働している。
関節をキリキリと鳴かせ、擦れる装甲の摩擦音、駆動音。シュウと吐き出す蒸気、動物のように一部一部が忙しそうに動いている。
間違いなくコレは兵器なんだ、俺は確信した。
確信したにも関わらず飲み込めない。こんな大きなものが動くこと事態間違っているのに。
MTなどで慣れていると思っていたが、こうまで綺麗に人型をしていては違う所があった。
感傷に浸っている場合じゃあない。コイツは敵だ。
敵う筈の無い敵なんだ。
「全員撤退!!撤退だああああ!!!!下がれ下がれさがれぇ!!!」
アレを前に道に転がる車の残骸、崩れた建物の影、なんの役にも立ちゃしない。
回れ右だ、右向いてもっかい右向いて祈りながらひたすらに走る。
今もっとも生存率を上げる戦術的撤退。
障害物から離れたとき、狙撃兵の弾がかすったが、俺の玉は限界まで縮み上がっていたから恐いとも思わなかった。
撃たれて死ぬ方がまだマシだからだ。
横を走っていた奴が頭を撃たれた。俺は念押しでヘルメットを少し傾ける。
何人かが応戦するように歩兵用携行ロケットを構えている。
「馬鹿野郎!!そんなもんが通るか!命が惜しけりゃ…」
一番近くの奴が吹き飛んだ、下半身がビクビクと痙攣し、衝撃で宙を舞った上半身はまだ意識があるようだ。
驚いたような顔で彼は自分の足を上から眺め、左手がゆっくりと千切れていく。
地面に落下した上の方が残った右腕と頭を壊れた玩具のようにジタバタと動かしているのが見える。
そして未だ離すことのなかった砲筒からロケットの弾頭が撃ち出され…。


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