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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

396隊長:2010/03/18(木) 11:59:56
オペレーターでありサポーターの女性は後退を提案するがクライゼンは聞き入れなかった。
疲れがあるとはいえMTにしてやられたのを、彼のプライドが許さなかった。
「腹を括れよ」
男は電子画面の操作に指をやり、そしてもう一度スティックを強く握る。
瞬間、オーバードブーストが彼を機体ごとぶっ飛ばす。
片方の脚と背中のブースターを組み合わせ、超速度に達する前にどうにか立ち上がる。
追ってきたMTとの距離をみるみる内に縮め、先頭に立つMTと衝突する寸前――
「くれてやる、もっていけ」
片一方のバックブースターだけを起動し超速度に加え、遠心力を発生させる。
むろん被弾していたフレーム全体が悲鳴上げるが、なんとか耐えてみせた――破損した片脚以外は。
遠心力によって大きく外向きに突き出された右足は、その勢いを保ったまま目前にいるMTを直撃する。
クライゼンはOBとBB、壊れた片脚を利用して回し蹴りを喰らわせたのだ。
巨大の質量の衝突は物凄い衝撃を生み出し、脚の減り込んだMTは他のMTを巻き込んで後方へと転がって行く。
クライゼンの方も無事ではなかったがMT程ではなかった。
しかし、脚の千切れ際の減速と衝突の振動は弱った体にはキツいものがあったようだ。
ベルトに固定されているせいもあってか、男は頭や口から酷く出血している。
『クライゼン、敵が!』
「捕捉してる、最後までやるつもりだ」
叫んだせいでモニターにまで飛沫血痕が付いた。
片方だけになった逆関節脚部を操り、うつ伏せから仰向けへと体勢を変え、衝撃で装甲が剥げ、機関部が露出された
マシンガンを敵へと向ける。
まともにロックすることなく、彼はトリガーを引いた。
しかしそれは、MTにとって充分な威力を発揮した。ワケも分からぬ内に味方ごと吹っ飛ばされた挙句にマシンガンを乱射されては
避けようがないからだ。
『ここ最近の行動を見れば自業自得だと言いたいですが…』
『クライゼン、お疲れ様。自滅行為もここまでくれば賞賛ものですね』
『なんならアリーナで鬱憤を晴らせばいいんじゃないですか?』
「……ありがとよ。アリーナか、そういや試合にでたことねぇな」
「やってみるのも悪くないかもな」


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