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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

395隊長:2010/03/18(木) 11:59:33
男は茶化すように笑ってみせたが、女性からは彼の笑顔が見えなかった。
息も落ち着いたところで、男は手元のスイッチをパタパタと軽快に倒していく。
砂嵐だけのモニター向かい、もう一度息を整え言を伝えた。
「メインシステム起動」
途端に、砂嵐の前衛芸術は消えて画面が真っ黒になり、次には美しい緑を映し出した。
男、クライゼンの乗るACインソムニアも、男同様に息を吹き返した。
重厚な装甲を纏う逆関節脚部に支えられた、バランスに優れた中量級のコア。
脚と同じように装甲が貼りあわされた腕部には、機関部が軽量装甲で見え隠れするクレスト製のマシンガンを抱えている。
頭部は男が首を動かす度に、連動されたシステムで同じ方向を見据える。
『今はどこにいるんですか?』
「自然区だ、依頼の作戦エリアに近いから前日からここにいる」
『貴方が眠るなんて珍しいですね』
「効鬱剤をたらふく飲んだら疲れが取れてリラックスできてな」
「気付いたら寝ていた、まぁ依頼の前だから眠れて助かった」
男はスティックを握り作戦領域まで、インソムニアを歩かせた。


『正面!12時方向、来ます!』
「わかってる」
作戦開始から30分が過ぎた。自然区で展開されていたMT部隊を奇襲、その半数を撃破した所だった。
彼女の言葉と同時に逆関節を限界まで押し込み、ブースターの推力と掛け合わせた跳躍によって砲撃をかわす。
自由落下から少しの推力でバランスを整え、眼下に捉えた敵目掛けてマシンガンを連射。
トップアタックで蜂の巣にされた僚機を見て、敵ACが上空にいるのに気付いた他のMTは一斉に武器を構え迎撃を試みた。
ロックオンと同時に銃口から放たれ弾頭はクライゼンを襲う。
「油断した!」
すぐさまEXのバックブースターを起動し、弾の柱から抜け出す。
しかし、着地した途端に脚の損傷が激しい部位から煙が上がり、立ち上がることができなくなった。
『脚部の関節用ジャッキが破損してます!』
「片脚が使えないとは…」
追手はそう遠くない、MT達がコチラへ接近しているのをレーダーとアラートが告げる。


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