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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」
382
:
隊長
:2010/03/08(月) 21:25:12
「戦術脱兎の如く」
空を斬るブレードの刀身、刀身の放つ熱がチリチリと目に映る。
確信していた。間合いに入った敵のコアを確実に貫いた…と。
だが、霞を通り抜けるかの如く、敵は俺の間合いから消えていた。
―――数分前へ遡る―――
「反応を辿って来てみれば…」
『誰かと思えば、インパルス』
「コイツはとんだ食わせモンだ、ストリートエネミー」
『此処に居るということは、俺とお前は敵同士のようだな』
二体のACが距離を保ち、互いに相手を見据えている。
流曲線の目立つ特徴的なフォルム、右手のライフルは構えることなく銃口を地面へと向けている。
左手のブレードは何時でも放てるよう、引きの構えをみせている。
それとは対極的に、直線が多くゴツゴツとしたフォルムのAC。
こちらは左手の投擲銃を構え、右手の厳つい射突型のブレードを引っ込めていた。
「アリーナでのランクを忘れたか?」
「引いた方が身の為だぞ」
『ここをアリーナと同じ遊び場と考えているのなら、レイヴンとして質が問われるな』
(確かにランクは俺の方が上だ…が、正直相手が悪い)
「いつまでも動きたくないならそうしていろ!!」
インパルスの先攻、投擲銃ではなく肩に背負った大型のロケットを放つ。
ストリートエネミーを飛び越えたロケット弾は後方の壁に衝突し爆発、辺りの瓦礫を吹き飛ばし爆煙撒き散らす。
舞い上がった粉塵と燃えカス、黒煙がストリートエネミーを覆い隠し視界を遮断。
「まだだ!」
敵を煙から逃すまいと投擲銃を連射し、放物線を描き飛んで行く弾頭が第二第三の爆炎を生み出した。
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