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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

375隊長:2010/01/27(水) 19:23:53
5キロと離れていると、敵の所に轟音が届くのは少し後のことだった。
16の敵の内1人が、森で発した光に気が付く。
同時に、飛んでくる弾もほんの一瞬だがカメラに捉え、気付くのが遅れた敵MTに待っているのは砲弾の直撃だった。
爆発。
MTの戦車をも上回る分厚い装甲は、弾の直撃でひしゃげ、その後爆発と同時に鉄の屑となって散らばった。
大量の炸薬、重い質量を加速させるレールシステム*によって一気に押し出されたされた榴弾は、爆発した後もその勢いを残したままだった。
榴弾の生み出した爆破の衝撃は真上ではなくMTが立っていた後方まで伸びていく。
まるで曲射弾道の大型の榴弾がめり込むかのように敵MTと地面を抉り取ったのだ。
ワンテンポ置いてから気付いた他のMT達は敵の場所を探した。
その間も非情な狩人は次の射撃準備をしている。
一度使われた薬莢は不要となり砲の横から吐き出された。
熱帯びた薬莢は地面に落ちるなり茂る草を焼き、白い煙を上げた。
背中へと続く帯の中を大きな砲弾が移動し、内1発が腕の砲の中へ消えた。
もう一撃、砲身は近くの枝や葉を焦がしながら、巨大な火の玉を一瞬だけ見せる。
それに気付いた敵MT達は森に向け銃という銃を乱射してみせる。
その頃には先の1発が到達し、今度は3機のMTを同時に薙ぎ払った。
砲の射撃反動によってずれた照準を敵に合わせ、弾の装填を待ち狙撃する。
1発で敵を数機同時に沈めることはあったが、一度だって弾を外すことはなかった。
その間も敵はこちら接近、次第に狙い所もよくなってきた。
男のACを弾がかすめ、後の木の幹を砕いたのだ。

「移動だな」

そう言うが早いか、今までずっと同じ姿勢だったACは成るべく腰を落とした状態で立ち上がり、木々の生い茂る斜面を下っていった。
ブースタはそこそこに、ACの脚力を使って地面を蹴る。
少し身を浮かせた後に倒れないように脚でバランスを保ち、スケートでもするかのように斜面を滑り下りた。
木々の隙間を抜けていき、障害物を重心を傾けることで器用に回避してみせたのだ。
砂煙を撒き立てながら機体はドンドン加速していった。

(*レールシステム、AC武装の問題である射程距離を小型のレールユニットを搭載することで解決された、比較的少ない炸薬量で重い弾頭に安定した飛距離と威力を与えたのだ。現在、ACの武装には標準で、コストの高い高性能MTにも装備されている。)


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