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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

319 ◆lolicon8k6:2009/11/17(火) 18:50:31
「やはり高性能ともなると、値が張るな」
企業のパーツカタログを広げ、値段を見てはうなだれるを繰り返す。そのカタログの表紙には〝AC〟の文字が大きく写されている。
歳柄にもなく喫茶店でカタログを広げるのを見るに、うなだれているものの男にとっては喜ばしいことなのだとわかる。
「聞いたぞ、レイヴンになるんだって?」
聞き覚えのある声に興味を引かれ、カタログの上から二つの目を覗かせる。男とおなじようにすらりと背はたかく整った顔立ちの男が立っていた。
相手が誰だかわかったとたんに男はすぐにカタログへと視線を戻す。
「まぁな、この間。あんたと一緒にいった依頼で叩き出した戦果が、企業の目を引いたみたいだよレイヴン」
「そりゃよかった。おめでとう」
カタログの壁がなければニヤ付いた表情をレイヴンに見られていた所だろう。
男としてもその状況は避けたかった。
「先輩レイヴンとして、俺に忠告か?」
自分の横に腰を下ろし、煙草をくわえるレイヴンを横目で見ながら語りかける。
「忠告ねぇ。そんな柄じゃないさ…腕はよかったしちょっと様子を見にな。それと―」
言葉を発しながらクラフツパーソンのカタログを取りあげる。クラフツパーソンのあっと驚くような怒ったような声を聞きもせずに続けた。
「最初の内はこんなもん見なくていい。MTであれだけやれるなら初期の構成で充分やれるさ」
カタログを取られたことに憤慨しながらも、それはどうもと冷たく重たい小声で礼を言う男。
「あとあれだ、頭部COMは女性型に限る。野郎の声で喜ぶのなんてゲイかホモくらいなもんだ」
からからと笑いながら、カタログを茶化すように返すレイヴン。カタログを返された男は満足そうに言った。
「それはもう、決まっていてね」


「永い間一緒で、他のものでは変わりにならない最高のCOM…」
「マスターピース、機体の名であり彼女の名だ」
いつものように冷たく重い声ではあったが、その声はいつもより暖かみがあった。

――――私はマスターピース。
戦闘補助、及び兵器の自動操作を行う自律する戦闘システム。
現在の所有者、ならびに私のパートナーはクラフツパーソン。

内に願うは〝主の平和〟

クラフツパーソン、今後もあなたに平和が訪れんことを願って―――――


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