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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

303名無しさん@コテ溜まり:2009/10/23(金) 23:39:15
言葉を掻き消す爆音、急激に熱せられたアスファルトは泡を噴き溶けるように焼ける。
一瞬で男の搭乗するACを包む赤い雨、それに飲まれぬよう男は飛来する雨に銃弾をばら撒いた。
右腕の武器は連続した火の粉を噴出し、直線状にいる雨を貫くように飛んで行く。
誘爆、空中で身を爆ぜた雨の衝撃に飲まれ次々と吹き飛んで行く雨の群れ。
それでも雨は数を減らすことなく、ACに男に向かって行く。
物量の驚異、男はそれを実感していた。
休むことなく吐き続けられる薬莢、放物線を描きアスファルトに落ちて行く薬莢はその端々から炎に飲まれて行った。
男は自分の最後を予期していた。

『敵飛来物!数1500を超えて…2000!』
『でも…大丈夫!貴方ならきっと』
「聞け!お嬢ちゃん!」
「敵の数数えるのも俺を励ますのも…やめるんだ、お嬢ちゃんが悲しくなるだけだ」
『あっ…だけど』
「俺は先刻いった通りの駄目な野郎さ、だからレイヴンも駄目って訳じゃねぇ」
「誰かにとってレイヴンはすげぇ存在なのかもしれねぇし、最低なクズ野郎共って認識でしかないかもしれねぇ」
「俺の中でのレイヴンはどっちかってぇと後者寄りなのさ。」
「歴史を振り返れば英雄みたいな奴だっている、神さまだって裸足で逃げ出すような奴もいる」
「千差万別十人十色、レイヴンってのはそういうもんさ」
「だが俺は駄目だ、何かを守る為にとか力が欲しいからとか唯一無二の存在になりたいとか」
「そんな立派な理由はねぇのさ」

こうして話している間も飛来物は数を減らすことなく、ただ男の生を磨り減らしていく。


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