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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」
296
:
名無しさん@コテ溜まり
:2009/10/12(月) 19:32:58
《オモ…シロイ…》
既にエヴァンジェの声は人のそれではなくなった。
パルヴァライザーを中心に巡らされるシールドは何千何万とい弾丸を叩き落す。
二本の脚は地に付かず、空を蹴って一瞬でMTの群れの中心に移動する。
瞬間移動にも見える驚異の瞬発力は距離という概念を噛み砕き、両手のブレードはMTの防御力という概念を飲み下した。
蹂躙は始まりと共に終わる。
パルヴァライザーが腕を振るえば何十というMTが骸に変わる。
鉄屑が吹き飛び、その時初めて敵が隣にいること知るMT達。
距離を取ろうとした時既に、彼等は自身が切られていることに気付いたのだ。
蒼く滲むブレードは敵が近ければ刀身で、敵が離れれば光の衝撃で骸の数を増やしていく。
しかしMT達も数多く、エヴァンジェをパルヴァライザーを包み込む陣形を整える。
MTに乗る彼等とて、ただ死に行く愚か者ではないのだ。
二本のブレードでは持て余す数の多さ物量、だがそんな小細工でどうにかできるのならあの日。
多くの烏が畏怖することなど、数をすり減らすことなどなかったのだ。
《…フヤセバ…イイ》
パルヴァライザーの背から光が伸びる、あの禍々しい光。
その光が形を成し腕を増やす頃、MT達は戦意の大半を削られていた。
四本の腕を、ブレードを限界まで伸ばしたたずむその姿はまさに悪魔、彼等にどうこうできる相手ではないのだ。
《アサルト…ドミナントォ……》
ブレードの刀身が光を集め、爆発的にその内のエネルギーを凝縮させる。
腕が羽が輝きを増し、飛んでくる弾丸を分解し粉へと変えていく。
周りに落ちるMTの残骸すら、光に干渉し粒子の雨を生み出す。
粒子の渦がパルヴァライザーに纏わり、その全てが一気に外側へパルヴァライザーを囲むMTの壁へと干渉する。
《ブレード!!》
全て飲み込む絶望の光、纏わりつく闇を浄化する光源。
光球は辺りを照らし飲み込み塵に変えその干渉範囲を進めていった。
全て喰らい尽くす絶望の光の前で、逃げられる闇などどこにもないのだ。
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