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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

294名無しさん@コテ溜まり:2009/10/12(月) 19:31:00

「こんなポンコツ一機でどうにかなるとは思わないがな」
「何、賭けてみようじゃないか」
「賭けに勝てばあの子達を守ってあげられる、分の良い賭けだ」

MTは新たな宿主を与えられ、立ち上がる。
戦場へ向かって一歩また一歩と壊れかけの身体を引きずった。
烏は最中に回線をいじり、通信が声が戦場の全ての者たちへと聞こえるようにした。

「今戦うものたちよ!私の声を聞け!!」

銃声、爆発音、装甲の爆ぜる音、全てが止まった。
今ここにいる人という人が唾を飲んだかのように、静けさが広がり。
烏の乗る半壊したMTへ視線がカメラがレーダーが集まる。
この烏の一言は戦場をも止めた、それだけ烏は知られているのだ。


烏は開かれたままのコックピットハッチから飛び出し、MTの頭部の上で仁王立ちの姿勢をみせる。

『あいつは!』
『アライアンスの亡霊か!』
『死んだと聞いていたぞ』
『なぜこんなところに』
『そうだ!何故ここにいる何故生きている!!』

『『『『『『『エヴァンジェ!!!』』』』』』』

「貴様らに答える道理などない」
「私が求めるのは一つ、今すぐ戦闘を中止しろ!ボスのところへ戻って私が生きていたことを報告するといい!!」

胸が焼けるように熱い、それはエヴァンジェの感情を表す熱だった。
きっと戦闘になる、だが勝機はあるエヴァンジェは確信していた。
今はエヴァンジェに、守るものがあるからだ。


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