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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

293名無しさん@コテ溜まり:2009/10/12(月) 19:30:12

「戦闘か」
「そうです!あなたも非難を、100%安全じゃありませんけど少なくともここよりは…」
「そうだな…アミは私が背負う、急ごう」

男と二人の子供は地下のシェルターへと向かう。
そこには他の住民の姿も見て取れる、皆恐怖で縮こまり身を寄せ合っていた。
薄暗いシェルター内は恐怖が渦巻き、先刻とは違う纏わりつくような不快な黒であった。

「しかし、これでも安全は保障されないのか」
「えぇ、あの一日でレイヴンはいなくなり戦闘はMTを主とした物量戦になりましたから」
「ACがいた時はすぐに戦闘が終わるんですが、今は殆どが長期戦です」
「随分詳しいんだな」
「こんな状況がずっと続いてましたからね」

ナナは震えながらも作り笑いをする、男の胸にその笑顔が苦痛だった。
子供の感じる恐怖への共感、一年前のあの日を迎えるまでの彼では到底考えられないことだろう。
男は変わったのだ、あの時の敗北と少ない間だが子供と過ごした時間の中で。
だからこそ辛かったのだ。


男は、震えるアミを見て胸の中の苦しみを決心に変える。

「アミ…恐いか?」
「うん、とっても」
「あの時は私もだ、けれどアミが抱き寄せてくれて…恐くなくなったよ」
「だから、待っててくれ。…少し行ってくる」
「ナナ、使えるMTはあるか?動くだけでいい!」
「あるにはありますけど何をする気ですか…」

男はシェルターを飛び出し、コロニーを直走る。
建築物にもたれかかるように動きを止めるMTを見つけ、コックピットの中へ飛び乗る。
操作プラグを差し込んでる間にハッチから見える戦場。
弾丸が飛び交い、一機また一機と歿していくMTの群れ。
弾避けに使われ、あらゆる弾丸に揉みくちゃにされる残骸。敵、敵、敵。
オイルに混じる汚れた血、肉の臭い。
男は戻るのだ、男という立場を捨て戦場に〝烏〟として。


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