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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

168AC4SSその23:2007/02/04(日) 22:05:31
「なんだ、こりゃあ!」
 グランツは絶叫した。
「見えねぇ!」
 コジマ粒子は大気を汚染するとき、発光を伴う。ネクストが燐光を纏ったりするのはそのせいだ。
 だが今回は粒子の濃度が桁違いだ。
 瞬間的な光量は太陽にも匹敵し、しかも今――『光への感度』は最大だ。カメラが潰れたのだ。
(くそっ! 何にも見えねぇ!)
 混乱するグランツだが、その耳が妙な音を捉えた。
 巨大な足音だ。
 金属の軋みを響かせながら、一歩、二歩、確実にこちらへ近づいてくる。
 喉がごくりと鳴った。
 動揺を沈める目的で、PAを――ネクスト特有の防御壁を確認する。
 だが、COMの宣告は無情だった。
(PA……消滅っ?)
 愕然とした。
 コジマタンクから漏れた粒子が、PAと干渉、これの効力を大幅減衰――ACSは事態をそう解説した。
 まずい、と思った。
 が、グランツは激しく動揺していた。
 敵のブレードが発動する。そのエネルギー収束音を、踏み込むブースターの音を察しても、反撃はおろか回避さえもできなかった。
「しまっ……」
 情けない声と、金属の悲鳴が重なる。
 だがグランツは生きていた。
 どうやら、本能的に頭部をかばっていたらしい。交差させた両腕が、敵が振り下ろした腕部を受け止めたのだ。
 その隙に叫んだ。
「曹長! 応答しろ! 大至急援護を――」
 返答はなかなかこなかった。
『……興ざめするようなことはやめてくれ』
 応じるのは、低い、だがどこか澄んだ男の声だった。
 通信障害、とシステムが宣告する。
『ここにいるのは、俺とお前……そんだけだよ』
 その時、信じがたいことが起こった。


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