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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

159AC4SSその14:2007/02/04(日) 22:00:22
 毒づき、グランツは周辺状況を確認した。
 と、観測システムが、思考に警告メッセージをねじ込んでくる。PAを展開しているせいで、周辺環境の汚染が進んでいるというのだ。
『まずいですよ』
「分かってる!」
 部下の言葉に、反射的に手がスティックへ伸びた。
 全ては、敵が出てこないせいだ。ならばいっそ『催促』してみるのはどうだろうか。
 だが――どこを撃とう。スナイパーキャノンでさえ大きく抉れた城壁だ。
 これ以上下手な場所を撃つと、穴が開いてしまうのではないか?
(面倒なことになりやがった)
 葛藤していると、要塞に動きがあった。
 正面の分厚いゲートが、ゆっくりと左右に開いていく。大きさ的に、どう見てもMTやノーマル用のゲートだった。
「来た」
 グランツの顔に、傲慢な笑みが弾けた。
「来たぞ、やっとだ! おまえ達邪魔するなよっ」
 部下にそう命じてから、機体を跳躍させた。
 鋼鉄の足が地面を蹴り、そこで得た勢いを背中のブースターが加速させる。
 引きつるようなGの中で、頭部カメラと連動した視界が、ゲートから出てくるMT達を捉えた。
「待たせた分は……高くつくぞ」
 言う間にQBを噴射、赤のネクストは猛然と獲物に襲いかかった。


     *


 MT達がミサイルやバズーカで、懸命に弾幕を張る。
 だがネクストは、左右へのQBで易々とそれらをいなし、逆に隊列の懐へ潜り込んだ。
 銃撃が途絶え、戦場は一瞬しんと静まり返る。
 嵐のような猛威が始まったのは、その直後だった。
 ネクストが、ショットガンで間近のMTを粉砕した。
 その破片がまだ落下している内に、ネクストは次の標的に接近、猛烈なタックルを見舞う。
 喰らったのは、肩幅のある重装MTだ。
 重量はMTに分がある。だが、ネクストの突進力は圧倒的だった。
 重装MTは易々と宙に浮き、そのまま仰向け落下、轟音と砂煙をまき散らす。
 ネクストが、そのMTの胸を踏みつけた。装甲が凄まじい悲鳴をあげて、内側へとへこむ。コクピットはぐしゃぐしゃだろう。
『畜生!』
 MT達は果敢に銃撃した。
 ネクストは避けようともしない。機体を包むPAは、そんな銃撃など容易く弾き飛ばしてゆく。
 と、次の瞬間、ネクストがショットガンを撃った。
 射撃というよりは、弾をばらまくといった感じの、無造作な動作。だがMT達はその弾一つ一つに、容易く引き裂かれていった。
 堅牢なはずの装甲だが、まるで段ボールのようだ。


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