したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

127名無しさん@コテ溜まり:2006/11/11(土) 07:13:33
―――帰還―――

プラントから漸く外に出ると依頼主の企業の私設部隊は帰還準備を済ませ、俺達を積んで
帰る為に待っていた。
「お?ソコソコの部隊じゃねーかよ」その辺のゲリラなら殲滅出来そうな規模だ。
『んん!?アレACじゃねぇーの?』私設部隊の向こう側に、こんもりと巨大な影が見える。
カメラをズームさせて見ると重量級の、それも背中にCR-WBW98LXを背負った
重武装のACが立っている。『アイツ等あんなAC持ってやがったのか?』
俺は裏切られた様な気分になった。
すると、「ああアレ、ハイパーチェストか?呼ばれてたんだな。」
『ハイパーチェスト?』
「あのACの名前だ。特殊な仕事は大概あのレイヴンが引き請ける」
『特殊?まさか裏の…!?』「機体を盾にしねーと護衛しきれねー仕事とか、回避する
スペースもねえ場所での敵排除とか誰も請けねー様な仕事を率先して他のレイヴンに
代わって引き受ける不死身のレイヴンだ。お前なら請けるか?」
『エーと…、俺に死ねと?』「だろ?まぁ、とりあえず敵として出会ったら逃げろ!」
俺は、俺の知らない物凄いレイヴンがまだまだ居ると言う事を知らされた。
近くで見るとかなり威圧感のあるそのACはボロボロになっていた。
オペレーターの話では、残存勢力が一番多く逃走して来そうな出口で仁王立ちし、出口を
完全に塞いで殲滅したそうだ。俺は『あんた大丈夫なのか?』と聞くと、
「きかんな」と言い平然と去って行った。
俺はレイヴンが此れ程までに層が厚く、多彩だと言う事を今日まで知らずに生きて来た。
良く今まで生きて来れたもんだ。更に己の未熟さと無知を痛感した…。
「下向きっぱなしじゃ辛気臭せぇぞ。」
白いACだ。オペレーターが“ファンタム”と呼んでいたそのACは改めて見ると、
頭部をH02-WASP2に、コアはC03-HELIOS、脚部にLH04-DINGOを使ったアセンに
白をベースに黒のアクセントで彩られている為に骸骨の様に見え、異様な雰囲気を醸し出している。
「まだ遅くねぇ。」
今更レイヴンとしての腕を磨くのは手遅れなんじゃないのか?との俺の考えを
見透かされての言葉だった。
『ペース遅くねぇ?』

「いや――、いいんだぜ…。好きな速度で――。」

「創造と破壊を繰返して、相当高い頂点を打開したとしても、
そんでも答えが解ったり解んなかったりするだろーし、
気がつきゃ眩しい朝方になってたりする事も在るだろうが…
とりあえず、真直ぐ手ぇ上げて行け。目の前の扉はテメエで開けて行け。
焦ったって始まんねぇ、じっくりと次のステージを目指せ――。」
俺はカサカサに渇ききった唇を噛締め、ファンタムを見つめる――。
「だが、この道は長いぜ?」
その言葉に色んな意味が含まれているだろう事はすぐに判った。
俺は振り返らずに、そして立ち止まらずに輸送機へと向った。
俺は――、
『俺は俺の道を行くぜ…。』
「ああ。」
俺は俺が正しいと信じた道を歩いて行こう。
ACの手を上げ輸送機に乗り込む。

――期待の予告編――きっと届くぜ――


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板