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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

125名無しさん@コテ溜まり:2006/11/11(土) 07:12:01
―――無限―――

「カチャン!フィィィィイ」白いACがOBを発動させる。
残存勢力の排除に行くのか?と目をやると一直線にRED909の方へ向っている。
――まさか――
黒煙の向こうを赤黒い物体が蠢いている。爆炎に曝された事による焦げ付きや煤で
真紅の機体は赤黒く変色している。
『まだ生きてんのかよ!?』
「詰めが甘ぇ〜んだよ。仕事が終わるまでレーダーとモニターから目ぇ離すんじゃねーよ」
基本中の基本だ、常識だ。確かに“ヤツ”の反応がある。余りにも衝撃的な出来事が
多過ぎて、どうかしちまってるようだ。
『あのコアのお陰か…』CR-C83UA――、格納機能搭載、耐久性、防御力に優れる上に
迎撃機能を搭載した重量コア。その迎撃機能のお陰でコアへの直撃を何とか防げたのだろう。
だが、格納コアとは言えあのアセンブルからすると格納兵器は積めていないだろう。
それにしてもあのしぶとさ――、生への執着心――、レイヴンとしては
見習うべき所かもしれない。
突然の爆音と共にRED909の右肩に搭載されているCR-WB69RO小型ロケット砲が
炸裂する。先程の上空からの多弾頭ミサイルでダメージを受けていたのだろう。
そこをトドメと言わんばかりに白いACが迫る。
RED909はチャージングしているらしく、歩行で後退しながら残された新バズで弾幕を張る。
あれだけの猛攻撃を喰らっては、爆熱によりチャージングしても当然と言えるだろう。
闇雲に発射される弾は、如何に新バズから発射されたと言えど当たる訳も無く、
白いACは稲妻の如き軌跡を描きRED909の死角へと潜り込み、あっさりと背後を取る。
流石にチャージングしていては四脚と言えど大した旋回は出来ない。
白いACはRED909の背後を取りつつ照準を定める。同時にRED909の動きが止まる。
――諦めたのか?――
そう思った瞬間――、RED909は大爆発を起こし――、爆散する。
『ぁあ!!』思わず声が漏れる。明らかに自爆だ――。
余りの意外性と呆気なさに放心し、破片と化したRED909を見つめる。
「裏の暗黙のルールってやつか?どんどん血に染まって行くな…」
白いACのレイヴンが寂しげにそう呟くと通信が入る。
「敵ACの消滅を確認、敵残存勢力の方は大した兵力ではなかった為に、こちらで
対処しました。レイヴンは帰還して下さい。お疲れ様でした。」
その言葉を聞いて一気に緊張の糸が切れる。これ程“死”を身近に感じた事が
あっただろうか。そして己の未熟さを酷く痛感する。
「さぁ帰ろうか、レイヴン」
その言葉が妙に空しかった。何も出来なかった。事実、機体は損傷しているが弾薬は
たっぷりと余っている。何も出来なかった事の証。そんな事を考えている時だった。
「無限にある可能性を磨け、そうすりゃマジで誰でもスゲー光る。テメェの力を振り絞り
己の殻を破れ。信じりゃ必ず輝く朝が来るさ。“ビッ”としな。まだまだイケるぜ?行っときな。」
――見透かされてる、何もかも――
『敵わねぇな。』「だろ?」


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