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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

123名無しさん@コテ溜まり:2006/11/11(土) 07:09:11
―――PHANTOM―――

俺は援護の為にも慌てて最後のHOHSHIを射出しようとしたその瞬間―――。
目の前を――、白く――、巨大な物体が光の翼を広げ高音を発しながら――、
一瞬にして現れる。
――オーバードブースト――
真紅のACの両腕から放たれた弾丸は闇に吸い込まれて行く。
真紅のACは機体を引きながら再び両腕の新バズを発射する。
白いACは光の翼を広げたまま、空中で華麗に切返す。
弾丸が向った先に白いACの姿は無く、何も無い空間へと消えて行く。
「そこ、出番じゃねぇ」
白いACは「カシュ」と音をさせ、OBの開口部を閉じ大地をスライドしながら
右腕のCR-WR93B3バズーカ砲を発射し、左腕のWH01R-GASTを連射する。
発射された弾丸は真紅のACの頭部とコアを直撃、白いACは真紅のACの側面に
回り込む。だが“ヤツ”もターンブースターを発動させ急速に旋回し、対応しようとする。
「カチャン」真紅のACが急速旋回を終え、両腕の新バズを発射しようとした瞬間――、
白いACは再びOBを展開させ真紅のACの視界から消えて行く。
絶妙のタイミング、次元が違う。俺は援護のつもりのHOHSHIを使う事さえ忘れ、ただボーぜんと魅了されていた。
「やる気がねぇなら撤退しろ。その脚じゃMT相手でも梃子摺るだろ」
カッ!チーンと来た。俺は最後のHOHSHIを展開させる。
「残ってんならもっと早く使ってくれよな」
沸々と闘志が漲ってきた。アイツが注意を引き付けてる隙に俺が“ヤツ”を落とす。
白いACは“ヤツ”の周りを巧みにOBを使いながら旋回し攻撃を続けている。
真紅のACはECMにより新バズが使えずにロケット砲に切り替えているが、
白いACの巧みなOBを使いこなした緩急を付けた機動に付いて行けていない様子だ。
――アイツ…マジでやっちまうのか――
衝撃的だった。俺がまさに手も足も出なかった相手をノーダメージで翻弄し、軽くあしらっている。
「ん?コイツどっかで見た事ある気がしてたが…、RED909か?」
白いACのレイヴンがそう呟いたのを聞いて調べたのか、オペレーターが答える。
「ACネーム、レイヴンネーム共に該当なしです。」仕事が速い。割と優秀な
オペレーターだった様だ。再び白いACのレイヴンが口を開く。
「“ヤツ”は登録を抹消して裏の世界のレイヴンになった…て話だが、実際はあまりの
残虐非道ぶりから存在しなかった者とされて一切の情報を抹殺されて追放されたって
話だが、真相は本人に聞かねぇと分んねぇけど――」RED909が左肩のロケット砲を
パージする。続けて右腕の新バズまでもパージし、左腕の新バズを構える。RED909は
パージする事により軽量化し、一気に機動性を上げる。「お喋りはここまでだ」
先程まで余裕を見せていた白いACのレイヴンの口調が変わり、事態の深刻さを物語る。
軽量化した事により大幅に速度は上がり、驚異的な四脚の旋回性能は更に鋭さを増す。
新バズ一丁とロケのみ。それでも十二分に脅威である。
不意に先刻の恐怖が蘇って来ていた――。


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