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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

121名無しさん@コテ溜まり:2006/11/11(土) 07:07:15
―――赤い悪魔―――

大きく上空へと飛び上がっていた真紅のACは一瞬のワイルドスタイルの機体硬直の
隙を衝き、ワイルドスタイルの目前に着地するとほぼ同時にその真紅の機体の左肩の
辺りから弾丸を発射する。『ロケかっ!』“ヤツ”の動きに翻弄されてしまい、
その弾丸を回避出来ない。 『ぉおおおお!』真紅のACの左肩より発射された弾丸は
ワイルドスタイルの脚部を直撃する。『クソッ!! 完全に舐めてやがる。ACの
目の前に着地だと!?』知らず知らずの内に冷静さを失いつつあったが、機体の
被弾状況にはシッカリと目をやった。先程の衝撃――、脚部への被弾だったようだ。
『チックッショーッ!!』GIANT、GOLEM、 HOHSHIと立て続けに発射する。
だが、その瞬間には既に真紅のACはモニター内からは消えており、更なる衝撃が機体を
襲う。「脚部損傷」冷たく、如何にも機械らしくEYE3のCOMが伝える。またしても
脚部への攻撃だ。脚部はかなりヤバイ状態になってきていた。「ビィービィービィー」
今度は何だ!レーダーで“ヤツ”の位置を確認し、機体を旋回させながら瞬時に
状況を確認する。立て続けにロケット砲を被弾した為に、機体温度が危険温度域にまで
上昇している。緊急冷却の為にジェネレーターの出力がラジエーターに持って行かれ、
エネルギー消費量が著しく激しくなっていく。エネルギー供給の良くない
ワイルドスタイルではブースターの使用方法にも支障が出て来る。このままじゃ
距離も取れない。辛うじて旋回戦に持ち込み背後に回り込まれる事を防いではいるが
相手は四脚だ、長くは持たないだろう。あの真紅のAC…、両腕新バズ機体の上に
対ECM性能を落としてまで何故両肩ロケなんだ?と思っていたが、
こんな状況になって初めてその理由に気付いた。
対ECM性能を完全に切り捨て、ECMを使われた場合にはロケット砲に依る
戦闘をする事を選んでいるのだ。普通のレイヴンならばノーロック武器、中でも
命中させる事の非常に難しいロケット砲を頼りに戦闘をするなんて事は中々出来る
モノではない。しかし“ヤツ”はそれを選び、命中させている。生半可な腕じゃあない。
困惑しながらも何とか“ヤツ”をロックする。偶然にも旋回戦に持ち込んでいたお陰で
“ヤツ”のロケット砲はワイルドスタイルを捉える事が出来ずに当たらない。
――今度はコッチの番だぜ――
GIANTとGOLEMを発射する。その瞬間、真紅のACは再び大きく上空へと飛び上がる。
『またか!?』今度は何とか“ヤツ”をサイティングし続けようと追うが“ヤツ”の
真紅のACはモニターより外れ、ワイルドスタイルの真横へ着地する。「ブシーッ」再び
サイトに捕らえようと機体を引き離しながら旋回しようとした時、爆音と共に
コックピット内に衝撃が走る。コアにロケット砲が直撃したのだ。『なっ…』“ヤツ”の着地の瞬間が頭を過ぎる。
――あの音…、ターンブースターか――
「ビィービィービィー」再び機体温度が危険温度域まで上昇する。「ボン」と言う
爆発音と共にガクンと機体が止まる。「脚部破損」『馬鹿な!』新バズにやられたのなら
納得も出来る。だが…実際は両腕に新バズ二丁をぶら下げたACの両肩に、オマケで
乗っかっているロケット砲だけでやられたのだ。「ピッ、ピッ、ピッ」熱暴走による
緊急冷却と、回避する事に必死でエネルギーが底を尽きたようだ。
――チャージング――だ。
レーダーに目をやると…既に背後を取られていた――。


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