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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」
103
:
エヴァンジェSSその22
:2006/10/29(日) 23:14:41
『そこにいたか』
だが実際に手に取ったところで、声をかけられた。
「誰だっ」
チーフは慌てて窓を見て――驚いた。
ガラス戸の向こうには、人の頭ほどもあるアイカメラがあった。それがオレンジの光を発しつつ、まっすぐこちらを射抜いている。
チーフには、それがACの視線であるとすぐに分かった。
「……なんだ。そこから、来たのか」
『わざわざガレージへ入っていくような間抜けは、レイヴンに向かない』
言われ、チーフは苦笑した。
それに構わず、ACは言葉を被せてくる。
『そこの死体共は何だ?』
「……私の部下達だよ」
『何故死んでいる』
チーフは力無く肩をすくめた。
「娘が、悪い男に殺された。手塩にかけた娘だ。今まで築きあげてきた知識を、全てつぎ込んだものだった。
だが、あっけなく死んだ。
六十代、人生の終わりに差し掛かった人間が……今まで築いたものを全否定されたということだ。
君に、その悔しさが、虚しさが分かるかね?」
『知ったことか』
レイヴンらしい返事だった。
その清々しさに、チーフは虚を突かれた顔をした。
そして久しぶりに、純粋な――それでも、どこか弱々しい――笑みを浮かべる。
「……はは、面白いな、君は」
相手は、応えなかった。
世間話には興味がない、と判断し、チーフは本題を切り出した。
「理由を教えてくれ」
『……なに?』
「負けた理由だ。どうしても、知りたい。性能では、こちらが勝っていたはずなんだ。
これが分からなければ、死んでも死にきれない」
応えは、すぐには来なかった。
切実な問なのだが、相手にとってはどうでもよいことなのだろう。
だから、チーフは交換条件を出した。
自分が知っているありとあらゆる裏事情を、全て話す。レイヴンにとっては、おいしい話のはずだ。
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