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121Their Will  ◇MXjjRBLcoQ:2007/01/28(日) 00:55:14 ID:G30VWF.2
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 赤い髪の少女めがけて、バンダナの少女は、火乃香は一直線に駆けた。
「っち」
 判断は瞬間の連続だ。赤い髪の少女は舌打ちひとつ、詠唱を放棄、自身の刀を構えた。
 踏み込み、一閃。刀身と刀身がぶつかり合う。
 一瞬の競り合い、受け流そうとした刃が、
「ぐ、」
 少女によってねじ込まれた。
 少年を真っ二つにしたときから予想はしていたが、それでもとんでもない膂力である。
「破!」
 思い切って後ろに飛ぶ、ねじ込む力も巻き込んでバックステップ。
「敵は!」
 刃が迫る。狙いは着地際。とっさに騎士剣を構える。
「コンビネーション4−4−2!」
 振り下ろされた剣が盾に止る。コミクロンに心の中で感謝。
「全部!」
 瞬間、少女の裂帛の気合が吹き荒れた。
 火の粉を顔に受け、背筋が凍る。
 紅蓮の炎に盾が一秒持たずに焼け落ちる。
「!」
「殺す!」
 驚愕する火乃香に向かって、刃が一気に振りぬかれた。
 滑るようにして一歩前へ。紅蓮色の風圧が半身を嬲る。
「くっ」
「まだだ!」
 少女はそのまま逆袈裟に切り上げてくる。
――速度が乗り切る前にはじく!
 打ち合う金属音が響いた。
「くあっ!」
 完全に受け流してもまだ腕に痺れが走った。
「そんな腕で」
 透明で、機械的で、温度のない声とともに、さらなる追撃が、あまりにも禍々しい白刃が迫る。
 受けることは出来ない、痺れが芯に残ってる。
「わたしを殺せると思ってるの?!」
 ぎりぎりで踏み込で、そのまますり抜けるように距離をとった。というか、とれた。


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