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試験投下スレッド
943
:
◆CC0Zm79P5c
:2007/12/07(金) 20:59:29 ID:xsdwI8G2
「貴様にも質問をするぞ、娘」
展開された白の線越しに、ギギナは恩人の知人を襲っていた少女に詰問する。
タンパク質分子の連鎖で構成された蜘蛛の糸は、鋼鉄の五倍の強度を誇る。
生体変化系第二階位、蜘蛛絲(スピネル)で生成された粘着質の縛鎖は振り下ろされた凶器を受け止め、さらにその自由を奪っていた。
「もう! なんでお兄さんは鬼ごっこの邪魔をするの!? はっ、もしかして――」
少女はグーにした手を口元に押し付け、
「仲間に入りたかったの? ならジャンケンしないと。いくよー、さーいしょーは――」
「クエロ・ラディーンを殺したのは、貴様か?」
戯言を無視して、問う。クエロの傷口と、少女の携える凶器は合致するように思えた。
保護を依頼された少女を先に戻したのは、この話を聞かれたくなかったからだ。
彼女を気遣ったわけではない。単純に、これはギギナだけの問題だったからである。
――そう。いまとなっては、ギギナだけの問題になってしまった。
ガユス・レヴィナ・ソレルは彼の与り知らぬところで死に、クエロ・ラディーンも目の前で死んでいった。
ならば、この問題に決着をつけられるのは彼だけだろう。
誰にも介入されることなく、誰にも影響されることなく。
「殺してなんかないもん! あとで直すもん!」
そして、実を言えばそれはすでに決着していた。
頬を膨らませている眼前の少女を見ている内に、湧き上がってきた感情。
「……これが」
それは、怒りだった。
お前はこんなものに殺されてしまったのか、宿敵よ?
こんなくだらないものに、終わらされてしまったのか?
こんな――
「これが、こんなものが我らの行き着く先かクエロ・ラディーン――!?」
その怒りを、ネレトーの切っ先に込めて。
「――宣言しよう」
交渉のために闘争を控えていたが、いまはべつだ。
蜘蛛の巣の向こうの『敵』を睨みながら、
「貴様が、我らの闘争に介入してきたというのなら――ここで私は、全身全霊を込めて貴様を殺そう」
ダラハイド事務所の因縁。それを、ここで断ち切ろう。
そしてその視線を受けた彼女は、まるで初めて目の前に広がる白い糸に気づいたかのように、
「そんな……緊縛プレイなんて……」
絡めとられた凶器に両手を添えて、
「そんなのは、まだ早いよぅっ!」
――あろうことか、超強度を誇る糸を捻り切った。
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