したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

試験投下スレッド

86Black shuck </b><font color=#FF0000>(5jmZAtv6)</font><b>:2005/05/03(火) 05:58:38 ID:QYaLvLSA
「どうしてもというのなら、俺が1人で探しにいく」
宗介の言葉に首を振るかなめ。
「あたしも一緒に行くわ」
「ダメだ…許可できない、危険すぎる」
それでも不満げなかなめの肩を抱え、その顔を真摯に見つめる宗介。
その顔はもう歴戦の戦士のそれだ。
「俺が今まで帰ってこなかったことがあったか、俺を信じてくれ…かならず彼女を見つけ出してくる」
しかしそれでも宗介の言葉に頷かないかなめ。
「違う!そんなんじゃない!あたしが言いたいのは!」
自分でも予測できなかった言葉、そこまで言って…それから後の言葉は出てこなかった。


「かなめさん…宗介さん…どこですか?」
逃走中、はぐれてしまったしずく、しかもセンサーがまた上手く働かなくなっている、
どうやら場所の状況によって範囲が著しく制限されてしまう場合があるようだ。
仕方なく視覚センサーに頼ることにしたしずく、
かんかんと音を立てて非常階段からビルの屋上へと上がっていく。
屋上に上がったしずくが最初にみた物、それは…。

「祥子さん?」
オドーらから何とか開放され、ようやく安心したのだろう。
屋上の給水塔の影で寝息を立てる祥子がいた。

「オドーさんたちはどうなさったのですか?」
「オドーさんは…」
逃げながら宗介から話は聞いたが、オドーとのいきさつを知っているしずくとしては、
彼女に真相を伝えるのは憚られた。
だが…しずくは時計を見る、あとわずかで放送の時間だ、後で告げられるのなら、
今、自分の口で伝えた方がいい。
「死にました…私たちを守って」

「それで今宗介さんたちとはぐれてしまっていて…」
祥子はもうしずくの言葉を聴いてはいなかった、ようやく頭の中から消えかけていた死の恐怖が
祥子の中で蘇り始める。
ふらふらと立ち上がる祥子、しずくは屋上の手すりから乗り出して宗介らの姿を探している。
(祐巳のため…祐巳の…)
自分を見逃してくれたオドーの姿が一瞬浮かぶがすぐに消えた、そう…もうあの人はいない。
消えてしまった…、だから…もう。
剣をそっと抜いてしずくの背後に立つ祥子。
「祥子さ…」
振り向いたしずくの視界が真っ赤に染まった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板