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尚六幾星霜

208「後宮生活」5:2019/06/22(土) 16:07:44
自由になった右手をすっと動かして、衿の間から滑り込ませると、六太は焦ったような顔をする。尚隆はほくそ笑んで、指先で胸の尖りを探り当てた。
「あっ……」
吐息のような微かな声を上げて、六太は身を捩った。
「ちょっ、何すんだよ」
「今からお前を抱くつもりだが」
「なん、で?」
「抱きたいからに決まっとるだろう」
「え、でもさっき、反省したって言ったじゃん」
「反省した。だから一回だけにする」
「なにそれ」
「譲歩だ」
六太は唖然としたように口を開けた。
尚隆は左手で六太の頭を持ち上げてから、右腕で軽い身体を引き寄せて抱え上げる。膝の上に座らせて、六太の顔を間近に覗き込んだ。
「嫌ではないんだろう?」
囁いて、紅潮したままの頬をそっと撫でてやると、六太は尚隆の顔を見つめてから、僅かに視線を逸らして小さく頷いた。
「……うん」
尚隆は微笑して、小さな唇にほんの一瞬の口づけを落とす。
「––––心配するな、六太。無茶なやり方はしない」
宥める声音で耳元に囁いてから、尚隆は六太を抱えたまま榻から立ち上がった。
「……お前、ほんとずるい」
「お前ほどではないと思うぞ」
「強引だし」
「今頃気づいたのか?」
「……前から知ってた」
呟いた六太の両腕が、尚隆の首の後ろに回された。肩に顔を伏せてしまったので、表情が見えなくなるのが惜しいな、と思う。
一回だけしか抱けないなら、じっくり時間をかけて抱いてやろう、と考えながら、尚隆は牀榻へ向かって歩き出した。

−−−

すみません。エロ書くつもりで書き始めたのに、牀榻に移動するまでに意外と文字数を費やしてしまい、力尽きました(ー ー;)
私の場合、やっぱりエロ書くには相当な気合いが必要なようです……
続きはまた今度


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