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尚六SS「永遠の行方」

16幕間(2):2007/12/02(日) 00:08:55
 先ほど人払いしたときに六太に仕掛けた戯れを思いだした尚隆は、書卓に頬
杖をついて窓の外を眺めた。さすがの六太も理性が飛んでしまえば快楽に身を
委ねるということか。今夜はどんなふうに抱いてやろうかと考え、自然と好色
な笑みが口元に浮かぶ。むろんまだ無理をさせるわけにはいかないだろうが、
それでも……。
「主上?」
 白沢の怪訝そうな声が耳に届いたが、尚隆は頬杖をついたまま目も向けなか
った。透明な玻璃を通して窓の外を眺めていた彼は、やがて「宰輔の御座所を、
仁重殿から正式に正寝に移す」言った。白沢は一瞬だけ黙り込んだものの、す
ぐに何ら動揺の窺えない声でおっとりと尋ねた。
「正寝とおっしゃいますと……。もし長楽殿の近くということでございますれ
ば、太和殿か玉華殿となりますが。台輔のご身分ですと、規模を考えれば他の
建物というわけにはまいりませんでしょう」
「そうだな、玉華殿でいいだろう。どうせ普段は今のまま長楽殿で寝起きする
のだ。しかし万が一、俺が怪我でもすれば、血の穢れの苦手な六太は近づけん
わけだからな。御座所としては、形式だけでも長楽殿とは異なる建物を用意す
る必要がある」
「仁重殿はどうなさいますか?」
「広徳殿と同じく、靖州府の一部として扱えばよかろう。その辺は任せる」
「すぐに検討を始めますが、そうなりますと侍官や女官の異動も正式に必要と
なりますな。書類の準備に、二、三日、お時間をいただいてもよろしゅうござ
いますか」
「ああ、別にかまわん。どうせ俺と六太の生活は変わらんからな」
「ではすぐさま太宰に諮って詳細を煮詰めることにいたします。警護の問題も
ありますから、とりあえず大司馬には今日のうちに簡単な話を通しておきまし
ょう」




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