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十二国記SS「† 夜に別れを †」
94
:
名無しさん
:2004/09/13(月) 17:21
峯麒は六太が、困ったような何か言いたげな表情で自分を見ているの
に気づき、月渓に頬を寄せたままで
「台輔、どうなさったのですか?」
と無邪気に問いかけた。しかしすぐに六太のことなどどうでもよくなっ
たようで、再び月渓を笑顔で見上げると今度は手を伸ばして月渓に抱き
ついた。そして思わず知らず、声が洩れた。
「月渓さま・・・王気が・・・・きもちいい・・・」
そしてさらに顔を月渓の体にうずめた。
これには六太たちもどう対処してよいのかわからず、完全にその場で
かたまってしまった。六太は心の中で、尚隆、頼む、こいつらを見ない
でくれ、視線をはずしておいてくれ、と念じるしかなかったが、尚隆は
むしろ無遠慮にニヤニヤしながらおもしろそうに月渓と峯麒を眺め、そ
してときどきちらりと六太のほうに目をやるのだった。
95
:
名無しさん
:2004/09/13(月) 17:23
だが、六太たちのとまどいなど月渓の動揺に比べれば物の数ではなか
ったであろう。もともと月渓は様々な欲望や誘惑をかわすためその心に
も感覚にも厳重に鎧を纏って暮らしていた。その分、その鎧をはぎとら
れてしまえば、生身の部分は普通の者より弱いといえた。実際、月渓は
もう快感に頭が痺れたようになり何も考えることはできず、体も反応を
開始しはじめていた。客人の前ゆえ、息が乱れそうになるのを必死で抑
えていたが、峯麒の甘えたようなしぐさが加わるたびに、最後の砦を守
る鎖もひきちぎられそうだった。
96
:
名無しさん
:2004/09/13(月) 17:26
さて、麒麟たちはかたまるわ、峯麒は周りのことなど眼中に無いわ、
月渓はときおり苦しそうな息をもらすわ、延王と汎王はおもしろそうに
しているわで、陽子は、これでは会議を続けても意味は無いと察知し
た。第一、月渓の様子がおかしいので放置しているのもどうかと思わ
れた。
「あの・・・大使館のことは本当に難しい問題だと思うんです。今日は
このへんで話し合いを終えて、それぞれが、もう一度案を練ってから後
日・・・」
それを、あいかわらずにやにやしたままの延王がひきとった。
「そうだな。今日はこのへんで許してやってもいいか」
誰の何を許すのやら、と陽子は思ったが、とりあえず
「では、おもしろい宴はおひらきとするか」
という延王の言葉でその場に解散の雰囲気が流れた。
客である麒麟たちは、ひとまず安堵の吐息をはいた。と思った瞬間、
あっ、と声を上げずにはいられなかった。
月渓がいきなり峯麒を突き飛ばし、
「し、失礼つかまつる」
と賓客たちに言葉を残すと、ものすごい勢いで部屋から走り出ていった
のである。
一方の峯麒は、痩せた身に急激に大量の王気を吸収したせいか、朦朧
としており、てひどく突き飛ばされたのも感知できなかたのか、魂の抜
けたような表情で、長椅子に倒れこんでいた。
97
:
名無しさん
:2005/06/15(水) 00:54:48
あげ。つ、続きが気になる……。
峯麒には幸せになってほしいです。
98
:
名無しさん
:2006/04/19(水) 00:28:45
あげときます。
99
:
名無しさん
:2006/12/03(日) 18:18:39
あげ。続きをっ!頼みます姐さんっ!
100
:
名無しさん
:2007/08/28(火) 02:47:33
スタートから丸3年記念age.
姐さん、新規読者です。一気読みしてwktkしてます。
気長に待ちますので続きをよろしくお願いします。
峯麒は衣食住満たされたら、強気キャラ爆裂しそうだな。
楽しみ
101
:
名無しさん
:2008/04/09(水) 19:45:28
続きが気になるこっちも期待age
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