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十二国記SS「† 夜に別れを †」

93名無しさん:2004/09/13(月) 17:19
だが、そこへさらなる衝撃が月渓を襲った。無意識にも徐々に月渓と
の体の間合いを詰めていた峯麒は、とうとう月渓に寄り添う位置にまで
達していたのだが、その峯麒が金色の頭をやわらかく月渓の体にもたせ
かけたのである。峯麒はうっとりと頬を月渓の体にすり寄せた。夢見る
ように伏し目がちにされた瞳は熱を帯びてうるんでいた。
 この峯麒の様子に慌てたのは月渓ばかりでなく、氾麟、六太、景麒と
いった他国の麒麟たちも同様だった。そもそもこの状況は峯麒に王気を
補給させてやろうという自分たちのお膳立てのせいなのだが、さして王
気に困った経験のない彼らにとって、ここまでは予測できなかったの
だ。峯麒の他人の目を意識もしない陶酔は、麒麟の本性、本能まる出し
で、はしたないというより、同じ麒麟として見ていて恥ずかしくいたた
まれないものであった。自分たちの心の奥底にひた隠した恥ずかしい欲
望が峯麒という何も知らないこどもによって白日のもとにさらされてし
まったのである。


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