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十二国記SS「† 夜に別れを †」

5名無しさん:2004/08/18(水) 00:29
 幼い声で言葉だけは勇ましく峯麒は門の中へ入っていった。官たちは戸惑いなが
らも、その後に続かずにはいられなかった。おそらくこの後、めったに立ち会うこ
とは叶わないこの上なく喜ばしい場面が見られそうなのである。見逃すいわれはな
かった。又、その王気が誰の発するものなのかというのも気にかかる。おそらく
仮王の月渓だろうとは誰もが思う。その確信が現実となる日を誰もが心待ちにして
いたのだ。
 背後に神妙さと期待の入り混じった表情の人々を従えながら、峯麒は迷いのない
足取りで進んでいく。小声の囁きにより事の次第を知った人々が新たに峯麒の後ろ
に加わる。とある部屋の扉の前でぴたりと峯麒が立ち止まったときには、背後の
人々の群れは当初の何倍にも膨れ上がっていた。
 その中の一人が上ずった声をあげた。
「おお、ここは仮王の執務室。やはり月渓様が・・」


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