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十二国記SS「† 夜に別れを †」

34名無しさん:2004/08/25(水) 00:49
係の者が月渓の到着を伝えると中から入室を促す声がし、月渓は部屋に踏み
入った。入ればすぐにその場で叩頭礼をと、月渓が膝を折ろうとしたとき、何か
腰のあたりに違和感が感じられた。見るといつの間にここへ来たのか峯麒が後ろ
にへばりついているではないか。
 これは峯麒の最近の戦略でもある。峰麒は月渓の腰のやや右寄りの辺りにしがみついてぴったり体を寄せ、月渓の背後から少しだけ顔をのぞかせて前方の様子を
うかがっているようであった。このようにぴったりとひっつけば月渓も峯麒を
蹴ることはできない。その上、王気も吸収しやすいので一石二鳥なのである。
こどもが大人に甘えているようで、かわいらしい行為にも見えるが、いつも
蹴られている相手にしがみつくとは妙な行為ともいえる。しかし王気不足は
麒麟にとっては死活問題であり、これは幼いながらに蓬山を飛び出したほど、
ある面ではしっかり者である峯麒が、必死で考え出した生き残り戦略であった
のだ。


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