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十二国記SS「† 夜に別れを †」

33名無しさん:2004/08/25(水) 00:47
 氾麟は走り逃げてしまった。月渓たちはすぐに氾主従のもとへ謝りにいかねば
ならないと慌てた。月渓はまだ挨拶もすまさぬうちから、とんでもない失態を
演じてしまったのである。だが目通り願いたいと申し出てみたものの、氾王
からは旅で疲れているので会うのは夕食時でいいだろうという返事だった。
氾王から怒りの返事がなかったため、かえって月渓は落ち着かなかった。
 他の賓客たちからも、月渓も多忙であろうし自分たちは疲れたので挨拶は夕食
時にという伝言を受け、月渓はますます落ち着かない。昼食時の峯麒の失態
のこともある。月渓は気がかりに思いながらも職務をこなしつつ、その時を待った。

 月渓が職務で疲れ果てたころ、やっと夕食の時間がやってきた。仮王である
月渓は王や麒麟とは身分が違いすぎるため、もちろん食事の席を共にすること
はできないが、挨拶と詫びのために重い気持ちでその席に向かった。本来なら
きちんとした場で拝謁せねばならないにもかかわらず、夕食の席で夕食前にと
いうのも月渓は気持ちがすっきりしなかった。


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