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十二国記SS「† 夜に別れを †」

19名無しさん:2004/08/21(土) 01:46
芳国は北方にあるため冬が厳しい。その厳しい冬がやってこようとしている。
小庸は焦りを感じていた。寒さが厳しくなってきているおり、月渓は最近、峯麒を
蹴りあげるよりも水をぶちかけることが多くなってきている。おまけに峯麒が
寒風吹きすさぶ林の中で隙間風の烈しい小屋とも呼べないようなほったて小屋に
住んでいることを小庸は知っていた。そんな小庸の心を見透かしたように月渓が言った。「どこぞの浮浪児のところにふとんを運んでやろうなどと考えているのでは
あるまいな。冬こそ良い機会なのだ。公も根をあげてここから逃げ出すだろう」
 実際、状況は峯麒にとって、ますます厳しくなってきていた。寒さが増して
きたために王宮は戸締りが厳重になり、食べ物を盗むのが困難である上、気の
流れも閉ざされ、王気の補給路も途絶え勝ちだった。


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