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ダークファンタジーパロ総合
1
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 18:27:46 ID:???
本スレ48に出てきたダークファンタジーパロ(吸血鬼・妖精・人狼伝説等)を語りましょう。
概念、イラスト、SS等なんでもOK。お気軽に語ってください。カプ妄想OKです。
地雷はスルー、荒らしは反応せず管理人さんへ削除申請をお願いします。
似たような概念が好きであっても、独自の設定がある場合は、個別にスレ立てしても大丈夫です。
スレの利用前に、りーどみーをお読みください。
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/18452/1660481819/l30
登場予定キャラ(過去の本スレ及び二次スレより)
モーリス…狩人。人狼の血の魔力を抑える研究をしている
グラン…森のシスター。人狼と人間のハーフである「半狼」
ウオッカ…女狩人。
ドリジャ…人狼。ウオッカを見初める。
ゴルシ…デュラハン。
ドンナ…狩人。長剣など大きな武器を振り回す。ウオッカを慕っている。
プイ…吸血鬼
テイオー…人間、美少年
↑のキャラは他の種族でもokですし、カプ妄想も大丈夫ですが、心配な場合は個別のスレ立てをお願いします。未登場キャラの妄想も大歓迎です。
2
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 18:45:19 ID:???
あにまん時代に書いていたSSを再掲させていただきます。
過去ログに初版があり誤字訂正と加筆修正をしています。
https://megalodon.jp/2022-0811-0139-40/https://bbs.animanch.com:443/board/889785/
これの172から
https://megalodon.jp/2022-0811-0140-34/https://bbs.animanch.com:443/board/892801/
これの6から
3
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 18:48:15 ID:???
「まんげつがこなければいいのに」
次の満月にはきっとモーリスくんを殺してしまう。日に日に増していく人狼の血の欲求。これ以上モーリスくんに怪我させるわけにはいかないんですけど。早く、早くここを出ていかなきゃと思うのに……。
生まれてから過ごしている村をはなれるのも、モーリスくんと離れるのも、泣きたくなるほどつらい。
「これとこれは…成分の相性が悪いかこれは、…毒性が強い。こっちは安定しない…くそっ」
狩人の一族であるモーリスくんは、人狼を仕留めるだけで良かったのに、グランが半狼だと知ってからは、人狼の血の本能を抑制する薬の研究をつづけている。
「ごめんね、グランちゃん。もう少しだけ待ってて。絶対に君を助けるから」
モーリスくん……そんな顔しないでほしいんですけど。
あぁ、なんて美味しそうなんだろう……。そんなふうに思ってしまって、グランはまた泣きそうになった。
満月を迎える3日前、シスター・グランアレグリアは森の教会から姿を消した。
***
シスター・グランアレグリアがいなくなったという知らせを受けてから、モーリスは不眠不休で、昼は森を駆け周り、夜は薬の研究を続けた。
グランは半狼だ。月が満ちるにつれて高まる衝動で人間を襲っているかもしれない。それ以前に.森でお腹を空かせて倒れているかも…。
幼い話し方で、モーリスくんモーリスくんと後をついてきたグランちゃん。思春期になり、身体が成長して女性らしい丸みを帯びるにつれて、人狼の血が悪さをし始めた。
グランちゃんは満月の夜は小屋に一人で閉じ込められて過ごすようになった。悪夢のような遠吠えは恐ろしくも、母を慕う仔狼の泣き声のようで、胸をひどく締め付けられだ。夜明けに迎えに行くと、狭い部屋で暴れて傷だらけになって、泣き疲れて眠っている。モーリスは不憫でしかたなかった。
狩人の仕事の合間に人狼の血を抑制する薬の研究を始めたのは、そのあとすぐだ。
そんな薬ももう少し、もう少しで完成するのに…なんで居なくなったんだ、グランちゃん。
4
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 18:57:12 ID:???
***
それは前の満月、薬の効果の経過を見るために、モーリスも小屋で過ごした時のこと。はじめは子供の頃のようにおしゃべりをしていたが、やがてすやすやと眠りについた。
いつも遠吠えが聞こえ始める時間になったが、グランは変わらずに眠っている。こうしてみると、小さい女の子だったころと変わらないな。月が満ちる度に暴れ回るなんて、信じられないや。あどけない寝顔を見守って、ほっと一息をつく。
寝ずの番をするつもりだったが、安心して眠ってしまったらしい。
朧に滲む闇の中、いつのまにか、目の前にはグランがいる。
「モーリスくん……」
うっとりと焦点が合わない瞳で、睦言のように自分の名前を呼ばれ、不覚にも心臓が跳ねる。
雲が流れ、月明かりに照らされた瞳は金色
切なく震える吐息を漏らす唇から見えるのは…
「……にげて」
魔性の狼の牙だった。
***
僕を怪我させたからって、責任を感じて……!
グランの優しさを知っているからこそ、そんな行動も予測できたはずだ。余計に、悔しさが滲む。
「助けてくれ!!」
不意に、男の悲鳴が森の中に響く。
今日は満月の夜。闇の眷属の力が強まる頃。こんな時に森にいるなんてどうかしているが、それは自分も同様だ。放ってはおけない。
声のするほうを見て、一目散に駆け出す。
「やめ、ろっ」
男を襲っていた者に渾身のタックルをする。
男は、すぐに他の奴らを呼んでくる!!と言って走り去っていく。
「……ここにいたんだね、グランちゃん。」
グランが襲いかかってかる。金色の目は爛々と光り、殆ど正気を失っている。
疲労でふらつくモーリスにはひとたまりもなく、首筋に噛み付かれる。
痛いというよりも熱い、遠くなりそうな意識をなんとか手元に引き寄せで、グランをそのままぎゅっと抱きしめる。
そっか、ずっと君を好きだったんだ。
本当は、手首に隠しもったナイフで背中から心臓を刺そうと思っていた。人狼を討伐すること、それが狩人である僕の仕事。
でも、仕方ないだろう? 好きな子に生きていてもらいたいと思うのは……
モーリスの手からナイフが落ちる。
「だいじょうぶだよ、グラン。だからもう…」
(人間を襲わないでくれ)
「僕以外の男に、そんなことをするのは辞めてくれ」
自分の口から出たのは、思いもよらない言葉だった。
それを最後に、モーリスの意識は闇に沈む。
***
おなかすいたんですけど。もうたおれそうなんですけど。きのうから、きのみやくだものをすこししか、たべてないんですけど。やっとおいしいものがたべられる……ちょっと、じゃましないでほしいんですけど。
あ。
こっちのほうがおいしそう。
だきしめるようにくびすじにかみつく。
くちのなかにひろがるあまさと
「だいじょうぶだよ、グラン」
みみをくすぐる、なつかしい、こえ…
「だからもう、僕以外の男に、そんなことをするのは辞めてくれ…」
めのまえには、ちまみれのモーリスくん。
***
急に霧が晴れるように頭がはっきりしてくる。
モーリスくん、モーリスくん。どうしよう。これは、グランがやってしまったんだ。流れる血が止まらない。闇の眷属はその血を与えて仲間を増やすというが、グランはどうしたらいいかわからない。
ふと見ると、銀のナイフが落ちている。これで、グランを止めようとしてくれた。グランが人間の心のままで天国にいけるように。
……そう思うと、モーリスくんを闇の眷属にするなんてできない。
モーリスくんの顔はどんどん白くなって、呼吸が浅くなる。
どうしよう、取り返しのつかないことをしちゃった。涙があとからあとから溢れてくる。
モーリスくんは、グランのことが好きだったんだ。
そんなの、知らなかったんですけど。
グランもずっと小さいころから、モーリスくんが好きだったんですけど!!
せめて最後にそれを伝えなきゃ、と
長い、長いキスをした。
5
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 18:59:21 ID:???
***
命からがら逃げた男は、何人かの仲間を連れて森の奥へ戻る。
そこには、倒れた狩人と銀のナイフを胸に刺した女の人狼が、寄り添うように死んでいた。
二人とも、幸せな夢を見ているかのように、穏やかな顔だったという。
この二人は種族を超えて愛し合っていたのか。
ならば、朝になったら墓を建てて、二人を一緒にいれてあげよう。
彼らは静かな祈りを捧げた後、最後に二人だけの時間をと、その場を後にした。
翌朝、二つの亡骸は跡形もなく消えていた。
愛の力は闇を乗り越えて蘇り、二人はどこかで仲睦まじく暮らしていると、その村では今でも信じられている。
そんな、お伽噺のようなおはなし。
fin.
6
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 19:07:42 ID:???
ダークファンタジー概念が好きな方がいたらご自由に語っていただければと思います!
7
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 23:54:08 ID:???
あにまん時代に書いていたSSを再掲させていただきます。過去ログに初版があり誤字訂正と加筆修正をしています。
https://megalodon.jp/2022-0811-0140-34/https://bbs.animanch.com:443/board/892801/
これの145から
これが最新話です。落ち着いたら続きを書くかもしれないし書かないかもしれない。
8
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 23:56:40 ID:???
お姉様が人狼の花嫁になってしまう。
”夢への旅路” そんなロマンティックな名前ながら一際凶暴な人狼に噛まれたお姉様。
あのとき、もっと早くお側に行ければ……
月明かりに照らされる中、ぐったりしたウオッカお姉様へ“血のマーキング”と称される口付けをした人狼。むせ返るような血の匂いの中、身体を寄り添わせたその営みは、天使の祝福のように清らかで優しいものにしか見えなかった。
おぞましい伝説に彩られた捕食行為を、私は不覚にも、美しいと思ってしまった。
そこで躊躇って、あいつを仕留められなかった……!!
あいつも手負いだったため、お姉様を置いて逃げるしかなかったようだ。あの時連れて行かれていたら、どうなっていただろう。
ひとまずは安堵したものの、お姉様はあの満月の日以来、ぼんやりと月を眺めることが多くなった。怪我からは回復しつつあるが、村に伝わる人狼化を抑える薬を飲ませ、大事をとって狩人の仕事は休んでいる。
このままでは、お姉様は本当にどこかへ消えてしまうのではないか。胸騒ぎがする。
嫌だ。絶対に連れて行かせない。私がお姉様を守ってみせる。
もうすぐ、満月の夜だ。
「ぜってぇオレの番にするから。おぼえとけよ」と吼えた通りに、きっとやつらはここへくるだろう。
お姉様を人間の理の外側、夢への旅に送り出すわけにはいかない。ジェンティルドンナは心を決めた。
***
一際大きく明るい満月の夜。
一族を引き連れたドリームジャーニーは花嫁ウオッカを迎えに来る。
闇の眷属は、よほど高位のものでもない限り、こちらから招かないと侵入できない。
「お待ちなさい。花嫁は渡しませんわ。どうしてもというならば、私の屍を乗り越えてゆきなさい」
ハルバートを携えた気高き貴婦人と、少年のような無垢な獰猛さをもつ人狼は、睨み合う。
9
:
◆HRqTU8I08E
:2022/08/15(月) 23:59:24 ID:???
***
「ウオッカ!俺の手を取れ!」
「お姉様!?出てきてはだめ!!」
戦いの最中、ウオッカお姉様はフラフラと操られるように人狼の元へ歩いていく。
満月の魔力を、狂気の血の誘惑を、薬では抑制できなかった。
「そんな…」
ドンナの引き留める声も届かず、お姉様は人狼の手を取った。
闇の眷属は招かれないと入れない。逆に、人間の側から理の外への扉を開けてしまったら、誰も止めることができない。
人狼は一瞬だけお姉様をぎゅっと愛おしそうに抱きしめると、少年のような小柄な体型をものともせず、お姉様をふわりと姫抱きにして、闇の中へ消えていった。
***
お姉様を追おうとするが、多勢に無勢。いくら武闘派で鳴らしているジェンティルドンナといえど、旗色が悪い。
「こいつも花嫁の手土産にしないか」「いいな、なかなか美味しそうだ」「花嫁も人間の匂いが近くにあったほうがいいだろう」
“黄金旅程”だとか“金細工師”だとか、そう呼ばれている奴らがこちらへ目を向ける。“夢への旅路”に負けず劣らず凶暴な個体だ。
こちらも満身創痍。お姉様ばかりでなく自分の尊厳さえ奪われるのかと、身を固くする。
誰か、誰か助けて……。
***
「おいおい野郎ども、貴婦人をよってたかって虐めるたぁどういうことだよ」
ジェンティルドンナ絶対絶命の闇を晴らすべく颯爽と現れたのは、闇の眷属の一人。
首無し騎士のゴールドシップだった。
to be contined?
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