したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

第一外典:魔法少女管理都市『瀬平戸』

157名無しさん (ワッチョイ 1698-bc14):2019/08/19(月) 03:51:53 ID:9DnBN41U00

「ええ、"あの"です。少しばかり、彼女は他の方とは様子が違ったでしょう」

「……確かに、そうでしたけど。あなたは……一体?」

名を問うのとは違う。本質的な、その詳細に迫る。
必要であれば、オーネストハートとして質問の魔法を振るうことも辞さない――――だが、その前に、リチャード・ロウはその問いかけに対して口を開く。


「宜しい。折角達成したのです、その戦いに免じてお答えしましょう。

 我々は、この世界を編纂し、再生する――――"再生者"、と括られるものです」


何一つとして理解は及ばなかった。だが、一つ察することが出来るものが在る。
世界の編纂。そんなものが可能であるとしたのならば――――瀬平戸、天海、かごめ、ゆりかご、記憶にある五つの都市の名前。それらが全て、他の世界の存在だと考えると。
魔法少女達が――――パラレルワールドに偏在する魔法少女達を、彼らの思うがままに"一つの世界にまとめ上げたのだとしたら"。

「り、りぇね……」

「……なら、"この世界"は、あなた達が……」

「察しが早くて助かります。そういうことになりますね。最もこの世界は私の担当ではありませんが、まあ、兎も角……」

それは、凄まじい規模の存在だということになる。
魔法少女という枠にも収まらない、新たな超常の存在。それ自体にまだ、理解が及んでいないが、彼らという存在が何かを起こそうとしていることは分かる。


「おめでとう。貴女達には、束の間の平穏を味わう権利が与えられた」


――――新たな敵なのか、どうかすらも分からない。


ただ、脅威的な力を持っていることは分かる。そうでなければ、世界の編纂などという大言壮語も、事実として世界を融合することも出来はしないだろう。
束の間の平穏。では、その先に何があるのか。新たな戦いなのか、それとも……

158名無しさん (ワッチョイ 1698-bc14):2019/08/19(月) 03:52:04 ID:9DnBN41U00

「それでは、皆々様方。やがて来る滅びの時まで――――幾久しくお健やかに」


パタン、と片手に開いていた本が閉じられる。天王寺ヨツバは、思わず……そこに刻まれた、本のタイトルを読み上げた、



「外典、英雄異端録」



本が閉じるとともに、その男はいつの間にか姿を消していた。フードコートは人で賑わっていて、不気味な静寂など嘘のように消えている。
雛菊ひよりは、天王寺ヨツバと顔を見合わせた。何が出来るのかは分からない。分からないが――――――――"きっとここから先には、新たな戦いが控えている"。
向こうから、車椅子を押してやってくる二人の少女の姿があった。この事は、先ず真っ先に二人へと話さなければならないだろう。



――――――――戦いは、まだ終わらない。

159名無しさん (ワッチョイ 1698-bc14):2019/08/19(月) 03:54:30 ID:9DnBN41U00



第一外典 魔法少女管理都市『瀬平戸』 終幕



.

160名無しさん (ワッチョイ 1698-bc14):2019/08/19(月) 03:55:50 ID:9DnBN41U00











for the next Apocrypha――――――――











.


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板