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【伝奇】東京ブリーチャーズ・玖【TRPG】

465御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc:2021/07/27(火) 01:52:04
>「わたくしは、最後に願ったのです。
 もし叶うのなら、いつか。悪意だとか、憎しみだとか、野望だとか。そんなことをすべて抜きにして、
 もう一度お話しがしたいと。穏やかに語り合うことができたなら、それはどんなにか素敵なことでしょう?
 歪んでしまう前のベリアルと。かつてすべての天使の兄と、神の長子と言われていた彼と――」

>「師匠は。……ベリアルは死にましたよ。間違いなく」
>「彼は死にました。そう――『死んだ』のです。祈ちゃんとレディの攻撃によって。
 それがどういう意味か。分かりますよね?」
>「ハクト君が時間を停めたとき、ボクは師匠の心に触れました。
 そして、おまじないをひとつ彼に施してきたんです。ボクの五尾の妖力と、クロオさんから貰った妖力を使って。
 ……『またお会いしましょう』ってね」

「そっか……最後まで頑張ってよかったよ。でもあの一瞬で!? やっぱりすごいや、橘音くん」

橘音の言葉を聞き、ノエルもまた胸をなでおろす。
ノエルとハクトが何もせずとも、レディベアと祈の最後の一撃自体は成功していたと思われるが、まさかそんな形で役に立ったとは。
ベリアルはノエルにとっては敵でしかなかったが、橘音にとっては敬愛する師匠で、レディベアにとっては育ての親だ。
そして祈は、たとえ親の仇であろうが転生を願ってしまう心の持ち主なのだ。

>「さて――みんなが下で待ってます。
 そろそろ帰りましょうか!」

「あれ、橘音くん。尻尾が三本に戻ってるけど大丈夫!? ポチ君、立てる……!?」

橘音は平然を装ってはいるが、しれっと尻尾の本数が減っている。
ポチに至ってはハクトが協力要請をしたときにはすでに少しも動けないという様子だった。
まだ動ける者が動けない者を支えたり抱えたりしつつ、撤退にとりかかる一同。
そんな時、突如として橘音が苦しみだした。

>「……ぅ……、ぁ、ぐ……ゥッ……!
 あ……、熱い……!顔が……顔が、焼けるように……うあああああああッ!!」

「橘音くん!?」

半孤面が外れ落ちると――以前精神世界で目にした通りの、美貌が現れる。
が、そこにあったはずの痛ましい傷は、もうない。

>「あ、あああ……!ボクの顔!ボクの右眼!ボクの……ボクの傷が……!なくなってる……!!」
>「クロオさん……!クロオさん!見て!見て下さい……!
 ボクの顔……!ボクの眼、ボクの傷が……もう、影も形もないんです!
 ああ……なんてことだ!こんなの、夢みたいだ……!」
>「嬉しい……!これで、なんの心配もなく堂々とクロオさんに愛して貰える!
 仮面なんかで隠さなくても、ありのままのボクで触れ合える……!」

「良かったねきっちゃん……。
兵十の家に食べ物を持っていくように勧めたの、間違いじゃなかったって、やっと思える……」


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