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【伝奇】東京ブリーチャーズ・壱【TRPG】

119品岡ムジナ ◇VO3bAk5naQ:2018/04/12(木) 22:01:26
>「祈の嬢ちゃん。手段は俺らでどうにかしてやる――――だから、聞かせてくれ。お前さんは、どうしたい?」

尾弐が話をうまく纏めつつあるし、そろそろ顔を出しても良い頃だろう。
若年特有の青く熱いやり取りに参加するつもりはないが、年長者として後押しぐらいはできる。

「……って、何空気読んどんねんワシ」

我が物顔で街を征くヤクザに在るまじき状態だ。
女子供や優男によろしくされるのも座りが悪いし、ここで一つ立場の再認識というヤツをやってやろう。

「相変わらず小汚いビルですなぁ」

ドアを開けるなり不遜な発言をしながら品岡は事務所に歩み入った。
橘音の元にあるルービックキューブを拝借し、手近にあるソファにどかりと腰掛ける。

「ご紹介に預かった品岡や。まぁ自己紹介せんでも皆ワシの顔は知っとるやろ」

纏まりかけた空気にしっかり水を差しながら、色眼鏡越しに祈と乃恵瑠をねっとりと見る。

「外で聞かせてもろたけど、なんやヤンヤ言いやんなや。橘音の坊っちゃんが困っとるやないか。
 コトリバコっちゅうのがどういう呪詛か聞いとったやろ。
 ありゃマジでヤバイんや、近づくだけで呪われるのに嬢ちゃん連れてけるわけないやろ」

ルービックキューブを手の中で弄びながら、既に尾弐が十分説得したことを復唱するように言う。
まさに鬼の威を借るムジナである。
ルービックキューブは瞬く間に6種の色が混在してぐちゃぐちゃになってしまった。
橘音に任せればまたピタリと戻せるかもしれないが、品岡にはもうどうしようもない。

「……っちゅうんが大人の建前の話やな。尾弐のアニキが言うたようにどうにかする方法はある。
 嬢ちゃん次第やけどな。ちょいと優しいおじさんの豆知識聞いてみんか」

まだら色になったキューブを指で弾き、立てた人差し指の上で回転させる。
品岡が特別器用なわけではなく、人差し指を変化させてキューブが回りやすくしているだけだ。

「例えばこのワシの変化妖術。モノの形を好き勝手変えられるチャチな手品みたいなもんや。
 生き物や妖怪の形を変えるには相手の許可が必要やねんけど、こいつを嬢ちゃんに使うこともできるんや。
 嬢ちゃんの身体の『構造的に女らしい』部分を"埋めて"、『構造的に男らしい』部分を"生やす"。
 ……あぁ、具体的にどういう部位かについては、お家に帰っておばあちゃんにでも聞くんやで」

指先で回転するルービックキューブが、ひとりでにカチャカチャと組み変わって行く。
蛹の中で眠る蝶のように、内部で一度バラして構造を変化させているのだ。

「もっと簡単に噛み砕いて言うなら、モロッコ行かんでも歌舞伎町で性転換手術はできるっちゅうことや。
 ワシは専門家やないからホルモンバランスとか交感神経やらは弄れんけど、とりあえず形を男に見せかけることはできる。
 女に対するコトリバコの呪いは子作りの臓器を破壊する呪詛や。構造的にそれをなくしてしまえば呪いは防げるやろな。
 まぁ、こんなもんは見せかけの子供だましに過ぎん対策やけれども――」

ルービックキューブの回転が止まる。
そこにあったのはもとの正六面体ではなく、一面の中央が突起し反対側が凹んだ卑猥な造形物だった。

「――ワシはのっぺらぼう、"騙し"の専門家や。呪いだって騙してみせたる」

無論、品岡の講釈は実施事例のない机上の空論に過ぎない。
コトリバコが相手の何をもって『女性』と認識するかは不明なのだ。
更に言えば、呪いの種別を"対子供"に切り替えられた場合に対応できるかどうかも分かっていない。
だから実際には、もう二重三重に防御を施す必要はあるだろう。

「嬢ちゃんが親にもらった身体弄るのに抵抗あるならやめといてもええで。電話番も立派な仕事や。ワシもよくやっとるし」

【ブリーチャーズに合流、疑似性転換による呪詛防ぎを提案】


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