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彼方「エナジーを解放せよ! きゅーばりぶれー!」
1
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:27:30 ID:5q.pU.y20
アーカイブ用スレ
2
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:28:01 ID:5q.pU.y20
菜々「────いい加減にしてよっっ!!」
ガチャン……!!
カラカラ……
部長「──────」
愛 「──────」
可愛らしい熊の絵柄は、見るも無惨なほど、粉々に砕け散った
破られた紙を掲げたまま、何が起きたか分からないという風に硬直する母
しかし……その口元が激しく痙攣を起こし始めるまで、それほど時間は掛からない
母親「──────」
その日、1枚の入部届が、無惨に破られる
それはスクールアイドル同好会が結成した年の秋
港区赤坂、中川の邸宅での事だった
3
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:28:32 ID:5q.pU.y20
・虹ヶ咲オリ設定
・いろんなところからパクリ
・モブ連中が喋りまくります
・百合なんてありません
4
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:29:16 ID:5q.pU.y20
先生「では、クラス委員長兼、風紀委員は朝香さんと垣澤さんで決定とします」
先生「2人とも、これから1年間、クラス代表として頑張ってね」
果林(155cm)「はい!」
垣澤「はい!」
先生「よし、この調子で他の委員会も決めていきましょう」
先生「全員、何らかの委員会には入ってもらうから、そのつもりでね」
先生「じゃあまずは───」
私は朝香果林
この度、高校受験に合格を果たし、広島から上京してきた15歳
生まれ変わった気分で、とはよく言われるけど、今の私は正にその気分
この日本で最も華やかな場所、東京で寮生活を始めるに至り、まるで別の人間に変わったかのよう
果林(これまで何となしに日常を過ごしてきた私だけど───)
果林(ここから勉強もオシャレも気合を入れて、誰もが認める立派なシティガールに……)
先生「次に───」
彼方「 パ ン ケ ー キ ! ! 」
果林「…………」
先生「…………」
シ ー ン ……
彼方「……Zzz」
5
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:30:07 ID:5q.pU.y20
先生「ちょっと。……ちょっとアナタ」
彼方「んにゅ……あれ、コーラは?」
先生「えーと出席番号8番の……これはオウミでいいの?」
彼方「ほえ……? このえでしゅけど……」ウトウト
先生「そうですか、失礼。……で、近江さん?」
彼方「ふぁーい……?」
先生「いま、何の時間だと思う?」
彼方「…………」
先生「…………」
彼方「しえすた」
先生「委員会決めの時間ッ!!」
彼方「あひィ!?」キーン
先生「起きなさい」
彼方「はらほれ」
先生「起きるッ!!」
彼方「ひゃい!?」
6
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:30:54 ID:5q.pU.y20
先生「まったく……」
先生「では気を取り直して───」
果林「…………」
果林(何コイツ……よりによって私の隣の席)
彼方「耳がぁ」グワングワン
果林「……ちょっと」ヒソヒソ
彼方「ふぁ?」
果林「ちゃんと起きてなさいよ。また怒られるわよ」ヒソヒソ
彼方「……」
彼方「は? 誰あんた」
果林「たった今クラス委員長になった朝香よ。あと少し声を落として」ヒソヒソ
彼方「…………」ジーッ
果林「え、なによ」
彼方「いや別に」
彼方「おっぱいデカくて良いなと思って」
果林「ぶっ!?」
彼方「おわっ」
7
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:31:25 ID:5q.pU.y20
果林「あ、あなた仮にも初対面の相手にセク……!」ガタッ
先生「…………」
果林「はっ」
果林「す、すいません……」
先生「……静かにね」
果林「はい……」
先生「では、次に図書委員へ立候補してくれる方───」
彼方「ぷくく、声落とした方が良いんじゃないの?」ヒソヒソ
果林「殴るわよ」ヒソヒソ
彼方「こわ」
果林(不愉快だわ。実に不愉快だわ)イライラ
8
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:31:56 ID:5q.pU.y20
果林(虹ヶ咲学園といえば、日本人の大半が知る都内でも有数の名門校)
果林(必然、在籍する生徒のレベルも高い。それは勿論、学力だけに限った話ではなく、だ)
果林(学費はそれなりの数値だが、入学すれば、その額に見合うだけの高品質な教育が確約される───)
果林(つまり、その教育が宝の持ち腐れにならないだけの資質を有した人間を、可能な限り集めた場所でもある)
───なのに、コイツときたら
果林「…………」チラリ
彼方(これから遥ちゃんとも暫く会えないのかー……泣いちゃいそう)ボケー
果林(横顔だけでも、どうでもいいこと考えてそうな感じ伝わってくるって相当よ)
果林(要するに"可能な限り"から零れた例ね。何の奇跡で入学出来たのかしらね、こんなのが)
先生「はい、ありがとうございます。放送委員は田辺さんと黒岩さんに決まりました」
先生「いろいろ出番の多い委員会だけど、2人とも頑張ってね」
田辺「はいっ」
黒岩「はーい」
先生「そろそろ終わりが近付いてきましたね。今年は良いペースです」
9
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:32:27 ID:5q.pU.y20
先生「では次に───保健」
彼方「はいはいはーい! はい!!」ガバッ
先生「!?」ビクッ
果林「!?」ビビクッ
シーン……
彼方「はい、近江の彼方で御座います」
彼方「保健委員、立候補させてください」
先生「……」
先生「そ、そうですか。……では他に立候補希望の方は」
…………
…………
箭野「あ、じゃあ私が……」
先生「……箭野さんね。立候補ありがとうございます。本当に」
箭野「は、はあ。とんでもないです」
先生「他に立候補は……居ませんね、ええ」
先生「で、では、近江さんと箭野さん。保健委員よろしくね」
彼方「やったぜ」
箭野(入学早々、何か成し遂げた気がする)
果林「…………」
果林(変人だわ)
果林(可哀想に……きっと碌な学校生活送れないわね、コイツ)
10
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/11(土) 02:32:59 ID:5q.pU.y20
果林(……でも、良い反面教師ね)
果林(こんな風にならないように、勉強いっぱい頑張って上流の女子になってやるんだから)
彼方「これで保健室のベッド使い放題だぜ♪」
果林「…………」
果林(絶対、こんな落ちこぼれ第一候補みたいにはならないわよ!)
果林「近江さん」ヒソヒソ
彼方「今度は何だよ」
果林「保健委員でも、病気じゃなきゃベッド使用許可は下りないわよ」ヒソヒソ
彼方「…………」
彼方「ふぁっ?」
果林「あんなに意欲あるなら、最初からそうすれば良いのよ。期待してるわ」ヒソヒソ
果林「頑張ってね」ヒソヒソ
彼方「え、ちょ」
果林(ばーか。良い気味よ)
11
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/21(火) 00:19:40 ID:IkYhSuu20
-豊島区巣鴨 宮下家-
愛 「メイド喫茶でバイトするァ!?」
祖母「そうさ」
祖母「ダメかい」
愛 「いや……いやいや! 駄目も何も、何がどうしてそんな事に……」
祖母「こいつだよ」ピラ
愛 「え、何これ……チラシ?」
愛 「"A_Hui_Hou(何て読むのこれ) 秋のオフクロ料理フェア"……」
祖母「秋葉原の、ちっちゃなビルに入居してるメイドカフェだよ」
祖母「何でも、上等な和食を作れる、要するにおばちゃん、おばーちゃんの人手を探してるんだと」
愛 「"採用された方は、いわゆる給仕長として、喫茶店のスタッフになっていただきます"……?」
祖母「近所の知り合いが街でチラシを受け取ったらしくてね。何だか知らないけど、ばーちゃんにくれたんだ」
祖母「見てみたら、ちょっと面白そうだったから……暇だしやってみようかなってね」
愛 「な、なるほど……なのかな? これは」
祖母「ばーちゃん来年70だけど、体力は自信あるし、まあまあセーフの部類だろ」
12
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/21(火) 00:20:22 ID:IkYhSuu20
愛 「かなり急な話だね……」
愛 「で、でもまあ話は分かったよ、アタシは別にいいけど……それで面接はいつに」
祖母「もう採用された」
愛 「はっ?」
祖母「ばーちゃん、こないだ遅くまで出掛けたろ。そん時にね」
祖母「軽く煮物を作って、ついでに鯖を捌いて塩焼にして見せたら……即、ね」
愛 「うっそ!?」
祖母「そう、まさに嘘だろって感じだったねぇ。あんな程度で受かっちまうとは夢にも思わなんだ」
祖母「コッチにとっちゃ出来て当たり前の事が、向こうには貴重で仕方無い事もある。この歳で勉強させられちまった」
愛 (いつの間に行動起こしてんだよって意味なんだけど)
13
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/21(火) 00:20:54 ID:IkYhSuu20
愛 「……そ、それで、どんな感じだったの? その店は」
祖母「店かい? パッと見ただけだけど、なかなか酷いもんだったよ」
愛 「えっ」
祖母「店員はやる気なさげ、掃除も中途半端、料理は辛うじて食えたけど、配膳マナーも悪い」
愛 「ひ、酷いねそれは……」
祖母「そーいう事さ。ここはチョイと、年寄りが出しゃばってやろうと思ってね」
愛 「そうなんだ……。でも年寄りの冷や水って言うんじゃないの、そういうの」
祖母「なはは、言うな言うな。それに寝ぼけ頭にゃ氷水くらいで丁度良い」
祖母「商売舐めた連中に、ちょいと気付けしてきてやるわ」
愛 「もー……あんま無理はしないでよ?」
祖母「おうさ。さあて、そうと決まりゃ久しぶりの務めだ! 気合い入れなきゃね!」
14
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:42:36 ID:B3AUru1Q0
生徒A「スクドルんとこの新しいMV、もう見た?」
生徒B「んー? 俺はまだ見てないけど」
生徒A「えー何でよー。例の近江ちゃんも出てるのに」
生徒B「は、近江が? 何あいつ結局、正式入部したん?」
生徒A「サイト情報だと、まだ仮入部扱いだったけど……」
生徒B「仮入部なのにMV出てるのか……どういう事だ?」
生徒A「正式入部したけど、サイトの更新が遅くなってるだけじゃない?」
生徒B「ふーん、あいつがねぇ。まさか本当に始めるとは思わなかったわ」
生徒A「むふ、結構エロい感じな衣装だったよ? セクシービキニ」
生徒B「だから何だよ……」
生徒A「え? だって好きなんでしょ魚クン。近江ちゃんのこと」
生徒B「…………ん?」
15
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:43:08 ID:B3AUru1Q0
生徒B「好き……近江を」
生徒B「───」
生徒B「そうでもないかな」
生徒A「そんな冷静に返されるとムカつくんだけど」
生徒B「何でだよ……単に委員会が同じで関わりが多いだけだろ……」
生徒A「ほんとー? 割と話すじゃん、近江ちゃんの話題で」
生徒B「そら、インパクトある奴は話題に上がるもんじゃないの?」
生徒B「とにかく俺は特にそういう気は無いぞ、近江には」
生徒A「ほーんとかなぁ」
生徒B「何でそんなに食い下がるんだよ……」
16
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:43:39 ID:B3AUru1Q0
生徒B「あーそれで? いまビキニって言ったよなビキニって。どんな感じのやつなんだよ」
生徒B「てか普通に見られるよなそれ、いま。MV」����
生徒A「は? ……何だよ、やっぱ興味あんじゃねーか」
生徒B「いやいやお前、エロいと言われといて見ないのは、男として無能の極みで……」
生徒B「あ、そういや女だったなお前。そんじゃあ解る訳も無いよな、男の世界なんて」
生徒A「は? はー何それ、男の世界? くっだらな」
生徒A「男の世界なんて、どーせエロけりゃ女の気持ちなんてどうでも良いアレだろ」
生徒B「あ?」��
生徒A「まーた始まりましたな、男のそーゆーとこ」
生徒B「どういうとこ」
生徒A「醤油とこ」
生徒B「おいおい……確かにエロさが全ては大正解だけど、女側の気持ちがどうでもなんて事は……」
生徒A「言い訳すんなしー。おまえ中等部の頃、許可無く私のパンツこっそり見てたの知ってんだからね」
生徒B「ばっ!?」
生徒A「いやー傷付いたなー残念だったなーあの時は。しかもチラチラと見る辺り、絶妙なキモさがねー」
生徒B「う、うるせえやい! あんな短えの履いてりゃ、その気が無くても見えるに決まってんだろ元不良!」
生徒B「大体お前、あの時は自分で───」
…………
…………
17
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:44:10 ID:B3AUru1Q0
生徒A「…………!!」ギャイギャイ
生徒B「…………!!」ギャーギャー
エマ (…………)
エマ (エロイ→Dio→神→すごい→褒め言葉→日本の造語?)
エマ (ああ!)パチンッ!
18
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:44:42 ID:B3AUru1Q0
果林「彼方みてみて。私達のMV、もう90万に届いてるわよ」
彼方「オクにでも出されてんの?」
果林「違うわよ……再生回数が90万回を超えたって話」
彼方「ほーん?」
彼方「……それってスゴいの?」
果林「凄い事じゃないの。ちょっとした有名人よ私達。このままなら100万再生は楽勝ね」
果林「ここまで来ちゃうと、何か本名出して活動出来ないのが残念な気もしてくるわねー」
彼方「彼方ちゃんは別に……。あー、そんで? 100万行ったら何か貰えるの」
果林「別に何も無いわよ。強いて言うなら充足感と名声が」
彼方「あほくさ」
果林「一瞬で興味無くすわねアンタ」
19
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:45:13 ID:B3AUru1Q0
エマ「何の食べ物の話ですか?」
彼方「何でそうなる」
エマ「こにーちわ果林ー♪」
果林「ぼなすぇーらエマー↑」
エマ「おててのシワをー」
果林「合わせてアモーレ!」
エマ「イエーイ!」パチンッ!
果林「イエーイ!」パチンッ!
彼方「なにそれ」
果林「わからん」
エマ「わたしも」
彼方「なんなの」
20
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:45:44 ID:B3AUru1Q0
エマ「それで、2人とも何の食べ物の話してますか?」
果林「食べ物から離れなさい」
彼方「何か知らないけど、彼方ちゃん主役の」
果林「…………」
彼方「……彼方ちゃんと果林ちゃん主役のMVがね、再生数パないって話みたいだよ」
果林「そうそう」
エマ「えむぶい?」
果林「ミュージックビデオね。アンタもしかして知らないの?」
エマ「美味しい?」
果林「知らないのね……」
彼方「エマっち、お腹減ってんの?」
エマ「特には」
彼方「あ、ああそう……」
果林「なら、ほら見てみなさいよ。ほらこれ」
21
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:46:15 ID:B3AUru1Q0
……MV視聴中
エマ「おおおー……」
果林「どうよ、なかなか美人に映ってるでしょ」
エマ「果林、おっぱいおっきーですね!」
彼方「ぶふっ」
果林「あ、アンタも同じくらいあるでしょーが!」
果林「もう……これだから水着は嫌だったのよ……」
彼方「んはは、そんな落ち込むなよ。しっかりケツも良い形してるよ」
果林「ありがと……何のフォローにもなってないけど」
エマ「彼方も可愛いなってるですよ」
彼方「ついでみたいに言われたって嬉しくなーい」
エマ「え、えーと……結婚したいです?」
彼方「いや飛び過ぎでしょ」
22
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:46:49 ID:B3AUru1Q0
果林「エマは丁度これ撮影した後に入ったから、残念だけど出られなかったのよね……」
彼方「それはまあ仕方ないっしょ」
エマ「2人ともスゴいですねー。同い年なのに尊敬するしちゃうますよ……」
果林「何言ってんの、アンタもこれからやるんだからね、こういうの」
彼方「そーだよー。そろそろソロ曲の収録もあるっぽいからねー、エマっちと彼方ちゃんは」
彼方「まーダレない程度に頑張ろうぜ」
エマ「出来るでしょうか……」
彼方「出来る出来る(適当)。何たって果林ちゃんにもでき」
果林「……」ゴスッ
彼方「いったー!」
エマ「ふふ……でも、2人とも本当にキレイですね」
果林「まあね。私は美人に撮れてるでしょ」
彼方「彼方ちゃんだって美人だしぃ」
23
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:49:58 ID:B3AUru1Q0
エマ「2人とも美人ですだよ」
エマ「2人の頑張るとこ、世界の何万人が見るしてくれてる、果林と彼方の力、評価されてるです。素直、誇れるですね」
エマ「モチロン、友達のわたしも誇らしいです」
彼方「ず、随分ストレートに人を褒めるね君は」
果林「何か照れるわね……」
果林「まあ嬉しいけども」
エマ「はい! 果林も彼方も立派に出来るした。これわたしも頑張ろう思えるよう、なるます」
エマ「他の人、頑張ろうって気にさせる。それ大きな才能、わたしのパパ言ってました」
彼方「んへ、ちょっと褒めすぎじゃなーい?」
エマ「2人のエロイ才能ですね!」
彼方「!?」
果林「!?」
24
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:58:32 ID:B3AUru1Q0
-私立星条中学校 第二校舎裏庭-
愛 「ごめん……気持ちは嬉しいけど、付き合えない、かな」
男子「──────」
愛 「本当ごめんね? 折角、勇気出して告白してくれたのに……」
愛 「君の事は、いろいろなこと知ってて凄いと思うけど……その、そういうのは、違うというか……」
愛 「えっとね、つまり……」
男子「──────」
男子「結局、それか」
愛 「え……」
男子「よく分かったよ……よく分かった」
愛 「あ、うん……ごめんね。でも、これからも友達……」
男子「君も!!」
愛 「ひっ!?」
男子「君も! 結局はそうなんだ! 君は違うって! そう思ってたオレが馬鹿だったんだ!!」
愛 「え? え?」
愛 「え、え、あの……どうし」
男子「はは……ははは! 良いよな! 替えが効くってのはさ!」
男子「どうせ人を取っかえ引っかえ出来る奴なんて! 皆そうなんだ!」
愛 「え……?」
25
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:59:03 ID:B3AUru1Q0
男子「勘違いさせて人を軽く扱ってさ! 解る訳ないよ!」
男子「勉強くらいしか出来ない、何をしても、何もしなくてもキモがられる奴が!」
男子「そんな奴が! 君みたいな子から急に優しくされて、どんなに嬉しくなるかなんてさ!」バァン!
愛 「ひゃっ!?」ビクッ
男子「嬉しかった! ……本当に嬉しかったよ! 毎日が幸せだった!」
男子「好きな話題を好きなだけ好きな人と出来るんだぞ! どんなに楽しかったか分かるかよ!」
愛 「あ、あの……」
男子「ああ楽しかった! 天にでも昇ったみたいだった!!」
男子「 ぜ ん ぶ 僕 の 勘 違 い ……ああ……ああ!! 馬鹿みたいだ!!」
愛 「…………!」
愛 「そ、それは、ちが……」
愛 「君のこと……わたし本当に友達だと思って……!」ガタガタ
男子「うるさい! もう沢山なんだよ!!」
愛 「!!」ビクッ
男子「優しくされて! 話し掛けられただけで舞い上がって! 馬鹿みたいだ! 時間を無駄にした! ああ無駄だ!!」
男子「君みたいなのが居るから! 僕みたいな───」
愛 「ひっ」
──────
─── 勝 手 な こ と 言 わ な い で よ ! !
…………
…………
26
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 09:59:35 ID:B3AUru1Q0
-豊島区巣鴨 宮下家-
愛 「はなせっ!」ガバッ
愛 「───────」
愛 「あれ?」
愛 「……何だ夢か。ん、眩しい……」
愛 (さーてと、朝だし目玉焼きでも作ろっかな)ゴソゴソ
祖母「何を話してほしいんだ?」ガララ
愛 「あっ、おっはよーおばーちゃん」
祖母「おはよう。そんで何を話せば良いんだ?」
愛 「ううん、夢の話。内容も忘れた」
祖母「そーかい……。さ、そろそろ時間が厳しいよ。起きな」
愛 「言われずともとも」
愛 「朝御飯はアタシが作るねー」
祖母「もう出来てるよ寝ぼすけ」スタスタ…
愛 「え、目玉焼き?」
祖母「ラピュタパン」
愛 「おっ?」
祖母「ぬか漬けと味噌スープもあんよ。贅沢だろ」
愛 「300点だー」
27
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:00:06 ID:B3AUru1Q0
愛 (髪……制服……スキンケア……)
愛 (スマホもペンケースも鞄に入れてたよね……)
愛 (鞄……OK)
愛 (よし、よし、ヨシ)
愛 「じゃ、いってきまーす」
祖母「ちょい待ち」
愛 「どーかした?」
祖母「今朝からアイツが居らんけど……あんた知らん?」
愛 「ん……あーアタシも見てない。その辺フラついてんじゃない?」
祖母「そうかい……」
祖母「まあいつもん事だし、ええけど」
愛 「あはは、まあね。お腹減ったら帰ってくるよ」
28
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:00:37 ID:B3AUru1Q0
祖母「そんじゃ、いってら」
愛 「いってきゃーす」
愛 (鞄持って……と)ガシッ
フギャッ
愛 「…………?」
愛 「…………」
祖母「どーした、固まって」
愛 「…………」
愛 「ううん……気のせいだね」
愛 「何でもない。いってきまーす」
祖母「はいはい。頑張ってきな」
愛 「へーい」ガララ…
愛 (さて、急がなきゃ)
…………
…………
29
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:01:08 ID:B3AUru1Q0
-山手線車内-
愛 (何か変だと思ったんだよ。鞄重いし……)
愛 「何で人の鞄を寝床にするかなアンタ」ヒソヒソ
飼猫(逆に聞くけど何で気付かなかったよ相棒)ニャー
乗客A「え、なになに……」
乗客B「何か猫がいるってー」
愛 (うわ超目立ってる……い、今更ウチに連れ戻せない、よね……)
愛 (連れてくしか、ない、のかなぁ)
飼猫(それはそうと、そろそろ朝飯くれや)ゴロゴロ
愛 「なに喉鳴らしてんだよ」
乗客C「見てみて、かわいー」
乗客D「え、あれうちの卒業生の人じゃ」
愛 (……う、ウルトラ恥ずかしーい)プルプル
30
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:01:39 ID:B3AUru1Q0
-虹ヶ咲学園 小会議室前-
遥 「ねーねー」ポンポン
栞子「はい?」
遥 「面接って、どーゆーこと訊かれるんだろうね……」
栞子「は?」
遥 「面接」
栞子「え、どういうって……入試の時と変わらないんじゃ」
栞子「ていうか、アナタ何ですか急に」
遥 「あ、ごめんね。わたし近江遥って言います。FAですっ」
栞子(名前を訊いた訳じゃないんだけど)
栞子「……三船、GA所属です」
遥 「三船さんかあ、同じ役員同士よろしくねっ」
栞子「……まだ面接前なんだけど」
遥 「あっ、そーだった。うへへウッカリ」
栞子(少し話しただけで伝わる抜けっぷり)
31
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:02:10 ID:B3AUru1Q0
栞子「それで、面接で何を訊かれるかって……」
遥 「あ、うん」
栞子「まず何より志望動機でしょうね。面接の基本」
遥 「だよね! しっかり考えてるよ」
栞子「あと、仕事への意気込みも訊かれるだろうし……」
遥 「バッチリ考えてる!」
栞子「生徒会に入ってから何をしたいか、つまり軽い将来展望を───」
遥 「完璧です!」
栞子「……」
遥 「えへっ」
32
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:02:41 ID:B3AUru1Q0
栞子「…………」イラッ
栞子「そこまで完璧なら何で訊いたの……」
遥 「だーってだってー、誰かと何か話してないと緊張しちゃうんだもん」クネクネ
栞子「人を勝手に利用しないでよっ!」
ガラッ
3年生「ごめーん、退屈なのはスゲー解るけどさあ……」
栞子 「あっ」
遥 「ひっ」
3年生「けどさあ、こっちゃ面接してんの───もうちょい静かにね?」
ガラッ…パタン…
33
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:03:13 ID:B3AUru1Q0
栞子「…………」
遥 「…………」
栞子「ねえ」
遥 「はい」
栞子「怒られたんだけど?」
遥 「ごめんなさい」
栞子「ついでに言うと、今の生徒会長」
遥 「マジごめん」
栞子「これで落とされたら恨むから」
遥 「あはは、その時はわたしも一緒だね」
栞子「当然」
遥 「じゃあ共犯者同士、仲良くしよ───」
栞子「…………」ギッ
遥 「許してください……」←土下座
栞子(何なの本当この子)ハァ…
遥 「今度は気を付けて静かにお喋りしよう」
栞子(しかも懲りてないし)
34
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:03:45 ID:B3AUru1Q0
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
───それから1週間
栞子(あんな事あって、合否の発表までは不安だったけど……)
栞子(心配を他所に私は面接試験に受かり、今では正式に生徒会役員として活動を始めている)
栞子(……でも)
遥 「三船さーん……何かパソコン壊れちゃったぁ」
栞子「パソコンが! ただの操作ミスで壊れる訳ないでしょっ!」
栞子(この子まで受かってたらしいのは何の冗談なのか)
栞子「貸して! どうせ変なとこ操作しただけなんだから!」パシッ
遥 「うう……ごめんなさぁい」
栞子「一体これで何度目よ? もう老人に教えてる気分なんだけど」
遥 「だって……わたしスマホしか操作した事ないんだもん……」
遥 「三船さん得意みたいだし、こういうの、わたしじゃなくて三船さんがやれば……」
栞子「あなたに覚えさせるために! こうしてやらせてるんでしょ!」
遥 「ひぇ」
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このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:04:16 ID:B3AUru1Q0
栞子「資料作成は役員の必須技能だって言われたでしょ! 折角、役員になったんだから覚えるの!」
栞子「今の時代、パソコン出来るかどうかで評価が全然違うんだから!」
遥 「ぶぇぇ……」
栞子「まったく……」カチカチ
栞子「ほら、直った」
遥 「おおー……ありがとうございます」
栞子「見てた? じゃあ、直す前の状態に戻すからやってみて」カチカチ
遥 「あ゙ー! 何してんの!?」
栞子「…………」
遥 「やりますよハイハイ……」カチカチ
遥 「ぐぬぬ」カチカチ
36
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このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:04:47 ID:B3AUru1Q0
ガチャッ
会長「おいっすー」
遥 「あっ! かいちょおー……」
栞子「ああ、お疲れさまです」
会長「一体なにエキサイトしてんのー? 廊下まで聞こえたぜ声」
栞子「あ、すいません。ちょっといま近江さんの……」
遥 「三船さんが怖いんです!」
栞子「ちょっと」
会長「───」チラ
会長「……ああ、うん。また"何もしてないのに壊れた"ってアレか」
遥 「ぶぇ」グサッ
栞子「ふふん」
会長「ははは、今の子ってスマホに慣れちゃって本当にパソコン出来ないんだよねー……」
37
:
このSSの登場人物は18歳以上です
:2020/07/22(水) 10:05:18 ID:B3AUru1Q0
栞子「本当……何とかなりませんかね、この人のこれは」
会長「ん、まあ慣らしていくしかないよね」
会長「私たちの当面の課題って事で、まあ頑張って習得させていこう」
栞子「はあー……憂鬱です」
遥 「背後から圧掛けるのやめてくれますかねー?」カチカチ
遥 「あっ」カチッ
栞子「は?」
遥 「…………」
遥 「えへへ」
栞子「何がえへへよ! 貸しなさいッ! また変にしたんでしょっ!」グワッ
遥 「怖いよう……」
会長「ま、もうちょい優しく教えてやっても良い気はするけどね」
遥 「言われてるよ三船さん」
会長「君はもう少しやる気を出してね」
栞子「言われてるわよ近江さん」
遥 「ふぎゃー」
会長「でも、何だかんだ言いつつ面倒見てるよね……そういう子が欲しかったんだよ、ウチは」
栞子「当たり前ですよ。情けは巡り巡って自分のためになるんです」
遥 「こんなハードな情けは返上したいです」
栞子「……」ジロリ
遥 「受け取らせて頂きますぅ……」
会長「うん。案外、良いコンビしてるかもね」
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