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ここだけ能力者達の物語投下所part1

9名無しさん:2017/05/21(日) 23:41:38


読書感想文の最後は、無難なものに訂正させ、終わらせた。さて、次は自由研究か。

「で、何の研究をするのか決めたのか?」

『うん、決めたよ!今から、剣兄ちゃんにも見せるから、待ってて!』

図書館を後にし、華山家で自由研究の題材について尋ねる剣。それに対し、一太郎は、もう決まっていると答える。
そして、一太郎が持ってきたのは、数枚の写真。写っているのは、夏休み中に撮った様々な写真。一太郎はその中から、恐竜の化石や復元模型など、この間行ってきたという、恐竜展の写真を取り出すと剣に見せた。

「へぇ、恐竜の研究か。良いんじゃないか。」

『うん!』

それから、一太郎は恐竜展の思い出を、剣に語りながら、自由研究を進めた。写真を貼ったり、文章を書いたり、やることは沢山あったが、剣の手伝いもあって、どうにか終わらす事が出来た。



『終わったー!!これで、もう大丈夫だ!』

「あれ?一太郎、絵日記も終わってないって言ってなかったか?」

『あ、そ、そうだった……』

しかし、外はもう夕暮れ、残された時間は少ない。それまでに、絵日記を終わらせるには、この夏休みのことを思いださなければならないが……

『ど、どうしよう……終わらないよ!いつ、何があったかなんて、すぐに思いだせないし……』

焦りもあり、絵日記を書くことが出来ない。こんなことなら、ちゃんと絵日記を書いておくんだったと、後悔する。
そんな一太郎に、声をかけるのは、やはり剣であった。その手には、一太郎が持ってきた写真があった。

「落ち着けよ、大丈夫だ。何のために、俺が居ると思ってるんだ?」

『剣兄ちゃん……』

「幸い、ここに写真もある。これで、思い出せるだろ?」

『ありがとう、剣兄ちゃん!』

それから二人は、思い出した。夏休みにあった様々なことを――
夏休みが始まってすぐ、二人でプールへ行ったこと。
夏祭りで屋台のくじ引きを引き、大きなぬいぐるみを当てたこと。その後に、花火を見たこと。
恒例の心霊番組を見て、怖くなって夜にも関わらず剣に電話をかけたこと。
恐竜展で、大きな恐竜の化石と並んで写真を撮ったこと。
家族旅行で、牧場に行き、ソフトクリームを食べたこと。その帰りに、剣にお土産のぬいぐるみを買ったこと。
一太郎の父親が、カブトムシを買ってきて、カブ太郎と名付けたこと。剣のバイト先のペットショップで、カブ太郎用のゼリーを買ったこと。
そして、今日、剣に宿題を手伝ってもらったこと。
どれもが、輝かしい思い出だった。そして、いつの間にか絵日記は終わっており――

『やっと終わったー!!』

「ふぅ、なんとかなったな。」

気付けば、外はもう真っ暗。帰ろうとした剣だったが、一太郎の母親の提案により、夕食を食べていくことに。そして、暫くの夕食を楽しんだその後――

『今日はありがとう、剣兄ちゃん!』

「ああ、だけど、来年はちゃんと計画的に終わらせるんだぞ。」

『はーい。』

「それじゃ、またな。」

『うん!またね!』

こうして、二人の夏休み最後の1日は幕を閉じた。


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