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ここだけ能力者達の物語投下所part1

13名無しさん:2017/10/26(木) 00:17:15
【作品名】It's All Over But The Crying 2
【元スレ名】ここだけ能力者の集まる高校


燃えている。人が、大地が、───人であるための最後の縁、度し難い罪人たる彼の祈る唯一の者、その全てが。
この世界を舞台にした戦争経済は留まる所を見せず、アメーバが周りを取り込んでいくかの様に拡がっていった。

戦火は主要都市の大半を焼き尽くし、今や堂々と様々な軍隊に混じって活動するカノッサ機関により、異能力者は重要なリソースとして扱われていった。
怨嗟と憎悪は酸の様に世界を浸していき、副産物として生まれる利益は、巧妙に隠された多世界からの使者達が掠め取っていく。地獄さながらの地だからこそ、其れは産まれたのだろう。

──────A.D.2077 オールド・トーキョー 名も無き集落

この地には戦火を逃れた人達のキャンプが築かれていた。
キャンプと言っても、実態は人のいなくなり荒廃した廃墟に住み着いた人々の集落の事で、その収容人数は百を優に超える。
人種も、歳も、異能の有無さえバラバラだが、戦から離れたいと思う気持ちだけは皆に共通していた。
だからこそ、護るべき人を連れた三橋は此処を次の目的地に選んだ。仮初めの平和なのは分かっていたが、それでも縋る様に。


「ゴーン、ゴーン、エヴリワン、ゴーン……。ってか……。
 畜生…、畜生、畜生畜生……ッ!ここは俺達の…!」
燃え盛る建物は、件のキャンプのものだ。重機に穿かれた大穴に棄てられる亡骸は、ここに住み着いていた者達だ。
風が届ける遠くの銃声を聴きながら、煤と泥、自他問わず大量の血に塗れた三橋は、大量の血で湿った土の上を這っていた。

漸く見つけた安息の地も長くはない。中に裏切り者が混ざっていたが、敵の探知力が上回っていたか。
兎に角このキャンプは襲撃を受けた。丁度、彼が来た二年後の日に。


始まりは覚えていない。彼女に買い物を任せて部屋で寝ていたら、いきなりズドンだ。
此処を襲ったのが何処の国の軍隊で、どんな思惑があったのか、最早当事者以外には分からないだろう。
重要なのは、此処ももう焼け落ちるという事だ。ならば逃げ出すしかない。彼女を連れて。




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