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チュン(・8・)チュン にお仕置きするスレ
118
:
名無しさん
:2022/02/18(金) 19:42:44 ID:tjf7eXIk
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・
真っ暗な部屋の中心、四方をロープで覆われたリングを、天井の小さなライトだけが照らしていた。
「ホントウニ タマチュンカエシテクエユチュン?」
青コーナーで待機するチュンチュンがちらりとリングの外に目をやった。
そこには自らの命と同じくらいに大切なタマチュンが、勝者に授けられるトロフィーの如く専用のカップに収まって台に並べられている。
約束しよう。そのために、君は今から命と卵をかけてお友チュンと戦ってもらう。どちらが勝っても恨みっこなしだ。
「ワカッタチュン…ヤッテヤユチュン」
ぶるっと武者震いをして、覚悟を決めたチュンチュンが立ち上がる。こうでなくては。
よくチュンチュンは自然界一臆病で脆弱な生き物と言われる。
確かにその通りかもしれない。しかし自分はチュンチュンに様々な可能性を見出したい。
食物連鎖のピラミッドの最底辺として、ただただ憐れに踏み躙られて虐げられるだけの姿は見飽きた。
もっと違う姿も見てみたい。そう例えば――
お友チュンにカナディアン・バックブリーカーを仕掛ける姿とか。
119
:
名無しさん
:2022/02/18(金) 19:49:57 ID:tjf7eXIk
「ヂュブッ!!!!!!!」
脳天からリングの固い床に叩きつけられ、挑戦者のチュンチュンは血反吐を吹いて絶命した。
そいつにブレーンバスターをかました主――常勝無敗、王者の“お友チュン”は赤コーナーに仁王立ちして、そのプラスチックの様に無機質な瞳で灰色の遺骸を見下ろした。
「ヂュッ…アイチュホンキデオトモチュンヲコヨシチャッタチュン…」
「アンヤノガアイテデカテユワケナイチュン…」
「デモ アイチュニカタニト チュンチュンタチノタマチュンカエッテコナイチュン…」
リングの脇で控えていた次なるチャレンジャーたちは、自分とさほど変わらぬ背丈の“お友チュン”がまるで熊か何かの類に思えただろう。
タマチュンを人質に取られているとはいえ、臆病な本性が発露して今にも逃げ出してしまいそうな風でもある。
よし、ハンデをあげよう。王者一体に対して挑戦者五匹。まとめてかかっていいぞ。
「チュン…ソエナヤ」
「チュンチュンタチガチカヤヲアワセエバ アイツヲタオセユチュン」
「ミンナデガンバユチュン…イクチュン!! プワプワオ〜!!」
試合開始のゴングが鳴る。チュンチュンたちは王者“お友チュン”を取り囲み、四方から一斉に突撃した。
「クヤエ!!」「チュン!チュンチュンチュン!!」「ビィ!!」
あるものは手羽で、あるものはその足の爪で、あるものは嘴で健気な連続攻撃をくり出すも、王者にさしたる動揺は見られない。
「ヂュッ?」
王者はまず手始めに正面のチュンチュンを引き寄せホールドすると、ベアハッグの要領で思い切り締め上げた。
「ヂュギギイイイイイイイ!!!!! ハヤセッ…!!!」
「オトモチュンヲハナスチュン!!」「コイチュ…!!!」「チュンチュン!!」
周囲の雑音など無視。カスが効かねえんだよとでも言わんばかりに王者は目の前の抱き枕チュンを締め続け、しまいにそいつの体がくの字に折れ曲がった。
「ピギェェェェェ!!!!!」
嘴から泡を、尻穴から血便を吹き出して、最初のチュンチュンは絶命した。
「オトモチューン!!」
絶叫したチュンチュンを、次はお前だと言わんばかりに捕捉した王者が米俵を担ぎ上げる様にリフトアップし、ゆさゆさと揺さぶり始める。
「チュブッオェ…! キモチワユイチュン!! イマスグヤメチュン…!!」
「イダッ…セナチュンイタイ!! ホネガオエチャウチュウウン!! オネガイヤメテェ!!」
「オトモチュンヲオヨスチュン!」
雑魚鳥の懇願や抵抗など王者は意に介さぬ。チュンチュン神輿は激しく上下に揺さぶられ、その度上下の口から吐瀉物と糞便が漏れ出てびちゃびちゃとリングに降り注いだ。
「ヤンヤン!! キタヤイチュン!!」「チュンチュンノカアイイカヤダガヨゴレチュン!!」「クチャイチュウウン!!」
振り撒かれた汚物を浴びて周囲の三匹が嫌がりながら離れていく始末である。
「マッテ…オトモチュ…タシュケ…ゲボッ!!」
担ぎ上げられたチュンチュンは既に虫の息。でもまだチャンスはある。素手だけで戦うのがプロレスの醍醐味ではない。
「コエハ…」
リングの隅に一時退却した三匹は気付いた。そこにある長机の上に針金の埋め込まれた棒きれや金属製の椅子といった武器が並べられていることに。
120
:
名無しさん
:2022/02/18(金) 19:51:47 ID:tjf7eXIk
「コエヲツカッテ オトモチュンタスケユチュン!!」
思い思いの凶器を手羽に取り、再びいくらかの闘志を取り戻した臆病鳥たち。
「オ、オモイチュン…」
おや、パイプ椅子を持った一匹がふらふらと千鳥足だ。そういえばこいつらはタマチュンより重いものを持ったことがないと聞くが。
やはりというか、そいつは椅子の重みを支えきれず、その場でひっくり返ってしまった。それどころか体に覆いかぶさった椅子を自力で退けることが出来ずその場でもがいている。
「ウゴケヤイチュン!! オトモチュンタシュケテホシイチュン!!」
「オマエハアトチュン! マズハアッチノオモチュンヲタスケユチュン!!」「ソウチュン!!」
賢明な判断だ。そんな二匹の背に「ソエヨリコッチヲタスケチュン!! ハヤクスユチュン! チュンチュンヲミステユノカチュン!?!」などと罵声を浴びせる自己中鳥の浅ましさよ。
こっちも決めた。まずはあいつから仕置きしてやろう。
「オ…オヨシテ……モウ、ユサブヤナイデ……オェェエッ」
瀕死のチュンチュンを担いだまま、悠然と王者はリングを歩いていく。
「クヤエ!!」「チューン!!」
左右で針金バットを振り回す二匹は相変わらず眼中になく、
「ク、クユナ!! クユナチュン!! オトモチュンハヤクコイチュヤッチュケユチュン!!」
椅子の下でじたばたもがく薄情鳥のもとへたどり着くと、その上に担いだチュンチュンを振りかぶって勢いつけて叩き落とす!
「ギェブヂュッ!!!」「ッポァグオーッ!!」
これぞサンダーファイヤーパワーボム。パイプ椅子に後頭部と背中から叩きつけられたチュンチュンの柔らかな体は中ほどでぱっきりと折れ、L字の形を作ったまま動かなくなった。これが見たかったんだ。
一方その下で、固い椅子とお友チュンの体重で押しつぶされたチュンチュンも、嘴から逆流した臓腑を吐き出し胴をVの字に引き攣らせながらこと切れた。
121
:
名無しさん
:2022/02/18(金) 19:53:53 ID:tjf7eXIk
「マタオトモチュンガ…」
「ドウシテコッチノコウゲキガキカナイチュン…?」
疲労と絶望の中、ようやく鈍いこいつらも訝しがり始めた。絶対王者にはいかなる攻撃も通用しない。針金バットがその身を引き裂いても、顔色一つ変えることはない。
こいつはそういう風に『作られている』
さて、そろそろ種明かしをしてやろうか。プロレスも飽きてきたことだし。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオー
「チュン!?」
「ションナ…ナンデ!?」
「アイチュオソラヲトンデユチュン!!」
王者“お友チュン”が直立不動の姿勢で宙に浮いていた。空を飛べないはずの自分たち――しかし同じ姿をした同族は、
まるで二匹を嘲笑うかのように、はるか頭上から感情のない瞳で喚く自分たちを見下ろしている。
「オイテコイチュン!! ヒキョウチュン!!」
「ビィ!! ナンデオマエトベユンダチュン!! チュンチュンダッテ…ビィィィ!!」
地上では二匹が地団太踏んで悔しがっている。手羽を振り乱してジャンプし、その度自分は飛べないことを嫌でも自覚させられてはビィビィ喚くことの繰り返し。
「ズユイチュン!! ナンデオマエバッカリ!! ビィイイイイイエエエエエエエ〜〜エァッ!!?」
二匹のうち、特に青筋立てて怒り狂っていたチュンチュンが、突然泡を吹いて昏倒した。
「シッカリスユチュン!」とお友チュンが揺さぶって呼びかけても、もう一言も応えようとはしなかった。
これが憤死というやつか。飛べないのがよほどコンプレックスだったとみえる。
そんな愚かな身の程知らずを尻目に、王者は悠々地に降り立つ。
残された最後の一匹は、その姿を見て涙目で怯え――
「アエ…? アノヒカッテルノハナニチュン…?」
そのチュンチュンは気付いたようだ。先程の針金バット攻撃で千切れた王者の灰色の毛の下から、ぴかぴかと光を反射する銀の地肌がのぞいていることに。
そう、こいつの正体は――
パァァァァァァァァァァァ
「ウッ…! マブシイチュン…」
一瞬で王者“お友チュン”を覆っていた体毛が発火して燃焼し、その下に隠れていた真のボディが露わとなる。
「コ…コイチュ! オトモチュンナンカヤナイチュン!!」
いや、形だけはチュンチュンだ。しかし血の通った生物ではない。こいつはロボットだ。名付けてメカチュンチュン。
ビィィィー!!
メカチュンの瞳が発光し、そこに初めて光らしいものが宿った。
「ギェアアアアッ!!」
次の瞬間にはそこから放たれたビーム光線が最後のチュンチュンの胴を射抜き、内臓が燃えるような激痛を感じながらチュンチュンは絶命した。
122
:
名無しさん
:2022/02/18(金) 19:58:35 ID:tjf7eXIk
ある日、ふとジャーマンスープレスで脳天から地面に叩きつけられるチュンチュンの姿を見たいと思った。
鯖折りをかけられ、文字通り背骨をへし折られ苦しみ悶えて絶命するチュンチュンが見たいと考えた。
人間がチュンチュンを殺すのは容易い。大の大人が本気で殴れば、一撃で致命傷を負わせることも難しくないほどに脆弱な生き物だ。
だから古来より人々はチュンチュンを出来るだけ長く『痛ぶる』方法を思案してきた。そのための様々な器具も発明された。
だが人間がチュンチュンの目線になってこいつらを痛めつけることは難しい。そもそもの体格からして違い過ぎる。常に圧倒的な力でもって、上から見下ろすようなやり方ばかりになってしまう。
無論それも悪くないが、たまには気分転換するのもいい。一番理想的なのは自分たちがチュンチュンのサイズになって直接殴りにいくことだが、そんなことは現実問題不可能だ。
そこでこいつを作った。きっかけは今日のように、胴に小型のカメラを付けた野生のチュンチュンたちをリングで戦わせていた時のことだ。
その頃はチュンチュン目線でのお仕置き、それはチュンチュン同士の戦いによって叶えられるのではないかと考えていた。
しかしこいつらの戦いは見ていてひどく単調で退屈だ。攻撃手段は貧弱な手羽と、丸っこい嘴と、今にも折れそうな細足の爪の三つだけ。
元来臆病すぎて闘争本能の欠片も持ち合わせていないこいつらを、様々な手段を駆使して殺し合わせることに成功しても、
その試合内容はひどく地味で精彩さと多彩さ、一言でいえば面白みに欠けていた。
メカチュンチュンはチュンチュンと同じ姿を持ちながらも、プログラムされた多様な格闘バリエーションで、チュンチュンたちに派手な“死”をもたらすことが出来る。
もちろん限界はある。チュンチュンの骨格構造をベースにしている以上、やりたくても出来ない動きの方が多い。(投げ技中心なのもそのせいだ)
それでもチュンチュンの見た目に拘ったのには理由がある。
これまでチュンチュンを殺すのはいつだって他の生物だった。しかしこいつは自分と同じ姿をしながら、桁違いの性能でもって自らに死をもたらすパニッシャーだ。
訳もなくお友チュンに殺されるという恐怖と絶望、対照的に浮き彫りになる自身の余りの無力感。
先程空を飛ぶメカチュンを見て悔しがるチュンチュンの姿を見てこの発想は成功だったと確信した。
チュンチュンVSメカチュンチュン (了)
123
:
名無しさん
:2022/02/18(金) 20:12:38 ID:tjf7eXIk
恐らくこの後もプロレスとチュンチュン目線でのおしおきをテーマに続くはずでしたが
これで終わりでもキリがいいのでご容赦を
それと湖北省氏の最後の作品を保存している方はいらっしゃいませんか?
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10536/1499401457/218-219
↑にあがっていたPixivにも無い作品です
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