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なりきりリレー小説スレッド

148其は超越の物語:2017/08/29(火) 16:31:16 ID:fc7C2EzE
一切の亀裂の存在しない宇宙艇より、"ハッチ"―――――"ミサイルポッド"が現れる。
宇宙艇の外装の5割を占めるそれより放たれるミサイル、"トルコの古代ロケット"の数は文字通りの無数。

「褒章をくれてやろう!あの"独裁者"と同じように!」

ツァラトゥストラは無数の一つ一つに拳をぶつけていく。
木矢しか装填できない不朽不滅の矢は、もはや玩具にしかならず。現状の彼は拳以外を持たない。
であれば対応など唯一つ。拳による撃墜のみ。

無数のミサイルに応える拳は無数かと言えば、否。当然ながらミサイルは超人の肉を喰らっていく。

「褒章―――成る程、王に相応しい傲慢である。」

肩、腹部、腿、抉られた肉は確かに超人の動きを阻害する。
それでも、超人はその不遜なる態度の一切を変えやしない。

「然し王、偉大なる遺物の王よ。
 ―――――超人の栄誉には"この程度"では足りやしないのだ。」

幾ら肉を抉られど、超人は未だ立っている。無数が零になった今も、尚。

「私は更なる褒章を願おう。
 ―――――おまえはこの蟲毒の先に何を望む。」

超人の問いに対して、王は上がりきった口角を更に、強く、吊り上げる。

「決まっている。」

それは民に望まれた王。民に望まれたままに、予言を成就させる者。

「―――世界を滅ぼす。
 我が予言が世界を滅ぼすのだ!民が望むままに、私はそれを叶えるのだ!!」

答えは超人の"望んだとおり"。自然と口角が上がっていく。

王の理屈など分かりやしない。滅びを望む民など居るものか。
滅び行く世界に生きるからこそわかる。人は如何なる危機に当たっても、強く、意思を持って生き抜くのであり
故に彼は"ツァラトゥストラ"。超える者の名を冠するのだ。

「嗚呼―――――やはり"おまえ"はこの超人が超えるべき、踏み潰すべし存在!
 
 わたしは神の死を知らせるもの。故、おまえの死を以って"超人の世"を証明しよう!!!」

抉れた肩より伸びる腕、その先の指を王へと向ける。
"おまえは必ず超える"と、その意思をここに示す。

「ククク―――アーッハッハッハッハッハ!」

王は昂ぶりを抑えられない。
我が子の成長はここまで達した。今、親を超えると宣言して見せた。愉快で愉快で仕方なく―――愉悦すらも感じうる。
ここまで子が吼えるのであれば。一度"現実"を突きつけてやるのも親の勤めであろう。

「あの程度では足りぬと言ったな―――良い。王の"予言"をくれてやろう。」

宇宙艇の前方が十字に展開し、極大の砲塔が現れる。その中心の一点に光が収束し―――その様相こそ、人類が焦がれど、幾ら焦がれど辿り着けなかった"光線砲"
これこそが王の"予言"する"滅び"の形。その威力は日輪そのものにすら匹敵する。

科学による超人であるツァラトゥストラも、この収束の瞬間に威力を理解していた。
手札にあるのは拳と木矢、それは余りに頼りなく、絶望を生み出す道具にしかならないはずだった。
然して超人は"嗤う"。その予言を"嘲笑う"。

「誇るが良い、王よ。
 ―――――おまえの予言は、超人の手により超えられるのだ。」

確信があった。眼前に立つは滅びの予言、であれば"それ"は必ずこの手に来ると

149其は超越の物語:2017/08/29(火) 16:33:41 ID:fc7C2EzE






暴風が吹き荒ぶ。超人と王を包み込むそれは極小規模に、視界の範囲のみを荒らしているようであった。
それはこの二人にとってはなんてことのない現象であった。どちらも暴風程度で揺れる存在でない。
だが、だがしかし。その風は祝福であった。声無き賛美歌であり、音無き福音であった。



王のデイパックが開き、"それ"は翼を広げ、風に乗り、"超人"の下へ。



                  デーア・ユーバーシュトゥック
「さあ、共に超越を――――――"超人の杖"。」




その先端には翼を広げた鷲、黄金に輝く柄には蛇が巻きついている。
鷲は、蛇は、ツァラトゥストラと生態金属を共有し、意志すらも同じくする。
それには可能性があった。機械的な秩序に納まり切らぬ可能性が―――ここに今、"証明"された。

王は意に介さず。その杖すらも、予言の前には玩具であると。
収束する光が止まり、充填が終わる。なればここに予言は成就し、焼けた大地に超人の肉片すらも残らない。

放たれる"予言"は超人の目の前で"止まる"。

眩く輝き、紅焔を撒き散らす"球体"がそこにあり、"予言"の光と拮抗していた。
莫大な熱と熱が衝突し、漏れるフレアが辺りの緑を黒へと塗り替える。
予言のその熱は日輪にすら匹敵する――――なれば日輪そのものたる球体と拮抗するのは当然であり。
今、この瞬間、"人類"は"遺物王"へと追い縋っていた。

「……あり得ん。」

王より零れたその言葉には、久しく感じていなかった感情が篭る。
"悔しい"と言う感情。それが人の範疇を超えてからは忘れていた――――否、あの時。
この世界に来た時の影響か、あいまいだった記憶が鮮明によみがえる。
あの満身創痍の"独裁者"が築いた帝國に、自信の科学は征服されたのだ。

「巫山戯るな!!!!
 その程度の玩具で、その程度の帝國で、このパカル王を――――」

そして日輪の衝突による光と"悔しさ"が、王より視界を奪っていた。球体の向こうに、超人は既に居ない。
突如、頭部に強い衝撃が発生し、全身より蒸気を噴出す超人を、その視界の最期として意識を閉じた。

「――――証明終了
 王よ、人間は超えられるのだ!!如何なる滅びも、超人と化して乗り越える!!
 "お前たち"、その神々が如く胡坐を掻く"運営"よ!!
 そうだ、如何なる滅びをも乗り越えるのだ!!」

ああ、だが、しかし。超人の機能はここで終了する。
日輪の衝突を間近で受け、それでも尚動ける領域には未だ人類は立っていない。
その一瞬の限界の超越は、彼が"ツァラトゥストラ"、"超人"であった故。

「なぁに……超人は未だいるとも。」




「だが―――今際に叫ぶにはやはり、雅が過ぎる名だ。」





焼け焦げた森の中心にて。今はただ、機能を終えた超人と、"超人の杖"が立つのみ。







【A-8/一日目 朝】
【ツァラトゥストラ@魔竜世界】
【ライダー(黒)@聖杯】
以上二名、脱落
二人のデイパックはA-8地点に放置されています

150もう何があっても挫けない ◆AXS9VRCTCU:2019/04/07(日) 06:18:59 ID:ImJaPKXw


「あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!」


そびえる灯台を何度も殴りつけながら、青髪の少女は絶望と恐怖の入り混じった叫びを木霊させる。
こんな意味不明な殺し合いに巻き込まれたのだ。こんな幼い少女が現実を受け入れられるわけはないだろう。

と、傍から見た人はそう思うかもしれない。

しかし少女の、オクタヴィア・クロイツェルに限っては違う。
何が違うのか。それは、少女にとってこの残虐な”殺し合い”など微塵も眼中にないのだ。それどころか、命を懸けた戦いなど彼女の日常の一部なのだから。
彼女の心をどす黒く支配しているもの。それはただ一つ――




151もう何があっても挫けない ◆AXS9VRCTCU:2019/04/07(日) 06:20:21 ID:ImJaPKXw


ルーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシールーシーッ!!!


理性の失った瞳、絶え間なく零れ落ちる涙、獣のように荒い息遣い。
辛うじて状況を把握しようと名簿を握り締める手は小刻みに震えており、それが彼女の心を乱す原因なのだと察するのは容易い。

オクタヴィアは純粋な少女だった。
元々精神は不安定で多重人格の持ち主でもあったが、心の底では友人を大切に想う一人の年相応な少女だった。
事実、元の世界では紆余曲折を経たものの最後には親友に囲まれ幸福な生活を手に入れている。

だが――一度だけ、彼女は心を壊したことがある。
殺人を犯し、親友であるルーシー・グラディウスに拒絶された瞬間だ。

自分の薄汚い”仕事現場”を最愛の友人であるアルテーチカに見られ、動揺していた心にとどめを刺すように上記のことが起こってしまったのだ。
その際のオクタヴィアは無差別に能力者に襲いかかり、その場に居合わせた天子は勿論、ルーシーにさえ剣を向けるほど取り乱していた。
結果的に数多の能力者によって敗北し、それを大きな切り口に幸福への道を歩み始めたのだが。

長々と語ったが、つまり何が言いたいのか。
それは、今ここに連れてこられたオクタヴィアは幸福な生活を手にしたあとの彼女ではなく、まさにルーシーに拒絶された絶望の淵に叩き落とされた瞬間の彼女だということだ。
もっとも、この殺し合いが始まってすでに数時間が経過している分、最低限の理性は取り戻しているが。
しかし中途半端に思考能力があるということは、より彼女の狂気を引き立てるということだ。

152もう何があっても挫けない ◆AXS9VRCTCU:2019/04/07(日) 06:20:56 ID:ImJaPKXw

「ねぇ、ルーシー。貴方は優しいからきっと話し合えばわかってくれるよね? だって貴方は私の友達だもん。私を受け入れてくれないなんておかしいもん。きっとルーシーは少し怖がっていただけだよね。ああ、きっと今もすっごく怖がってるだろうなぁ。大丈夫、私が守ってあげるから。ルーシーに手を出す奴らは皆殺しにしてあげる。ううん、手を出さなくても殺す。私とルーシー以外の奴らが生き残るなんて許さないから。でもルーシー、貴方がもし私を受け入れてくれなかったら最後にルーシーを殺すね。私の気持ちをわかってくれないルーシーなんていらない。ふふ、そんなこと絶対にないだろうけど。だって私とルーシーは親友だから。はやく帰ってずっと幸せに暮らそうね」

一瞬の息継ぎさえなく己の思考全てを口にするオクタヴィア。
彼女のスタンスは言うまでもなくマーダー。それも、ルーシー以外の参加者を無差別に殺害する傾向だ。
場合によってはルーシーさえも殺害を視野に入れている。冷静さを取り戻した獣は、より凶暴に牙を剥いた。

乱雑に投げ出されたデイパックから真っ先に取り出したのは大きな鎌。
武器になりそうなものはこれだけだった。他のアイテムにどのような効果があるのか、それすらもろくに確認していない。
そう、武器さえあれば人は殺せるのだから。至極当然にして、彼女が今まで何度もやってきたことだ。

大鎌を右肩に掛け、不敵な笑みを携えながらオクタヴィアは幽鬼の如く歩き出す。
ここがどこかもわからないし、地図で確認するのも億劫だ。ならば、とりあえず目指すのは人が多そうな場所。
できれば大人数。一斉に殺せればその分ルーシーを狙う可能性のある人物も排除できる。

漆黒の殺意を基に思考を働かせるオクタヴィアの胸には、自分が敗北する未来など絶対ないという確固たる自信が掲げられていた。


【H-7/灯台付近/一日目 午前】
【オクタヴィア・クロイツェル@旧俺能】
[状態]:狂戦士モード
[装備]:•ヘレボルス=ニゲル@魔龍
[道具]:基本支給品 不明支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:ルーシー以外の全ての参加者を殺す。
1.他の参加者を探し、殺す。
2.メタモルゼを見つけたい。

【ヘレボルス=ニゲル】
魔龍のサザンカが所持する、龍を屠る為に一人の超人に託された白雪のように純白な大鎌。思考制御による遠隔操作機能を搭載。
白光の残光を残しながら振るわれるその鎌にはサザンカの因子が組み込まれており、能力の影響を受ける事が出来る。


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