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仮投下スレ

892題名不明 ◆WqZH3L6gH6:2017/08/17(木) 07:26:58 ID:AQlBGyAw0

・承太郎2

きな臭い煙の匂いがする。
承太郎の瞼が震え、僅かな光が目に入る。
吸い込まれるような眠気が彼の意識を刈り取ろうとするのを感じる。

「っ……」

承太郎は気合を入れ、目を見開く。
空の何割かを遮る木の葉の隙間からごく微弱なオレンジ色の光が見える。
慌てて上体を起こす。すぐ近くに火の熱と煙はない。
彼はすぐ立ち上がろうとしたが身体はまだ満足に動かせそうになかった。

仕方なく引き摺るような感じで後ずさりをし、木の幹にもたれ掛かる。
少々和らいだが疲労と痛み、焦りが彼の心身を巡る中、承太郎は亡き戦友の忠言を思い出した。

――待つのは君だ、承太郎!

理世を追いかけようとした時も、逸り傷が開いたのを思い出す。

――その怪我で行けば殺されるだけだ

今の状態で風見雄二に加勢しようとした所で何になる。
承太郎は現状を憂いた。だが彼は弱さに屈せず不調の身体の代わりに頭を働かせる。

ここで、ある事に気づいた。セイバーから奪い、言峰に託された黒カード。
特にセイバーの黒カードはチェックさえしてない。

「やれやれだぜ……」


承太郎はため息を付きつつ小声でぼやきながら、再度も含め黒カードを確認し始める。

「………………」

全ての黒カードの裏面確認が終わった。
その中で彼が強く意識するカードは2つ。
ただのと思っていたが、実際は何らかの回復の効用があるとの説明書があった酒。
そして、もう1つは遊月が所持していたのと同種のレッドアンビジョンなるルリグデッキだった。

言峰が生前、正体を知りたがっていたルリグ ピルルク。
彼がそれを知る事が不可能となった今、それは……。
沈んだ表情のまま、承太郎は思案しつつ木と木の影に身体を移動させながら、瓶の蓋を回そうとする。

「……!」

ある経験から不可能ではない可能性に彼は気づく。
ゲーム開始時の繭の説明と、カードから出てきた龍の腕。そして魂を形にするスタンド。
魂の解放方法も、死者の魂との交信方法も彼にはない。
だがルリグやあるいはスタンドの使い方によっては、白カードからの魂の解放は不可能ではないのではないかと。
主催の打倒には直接結びつかない、仮に試みようとした所で制限もある。
いずれも0に等しい行動かも知れない。だが探る価値はあると思った。


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