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仮投下スレ

859有為転変 ◆WqZH3L6gH6:2017/03/21(火) 14:54:51 ID:c9XBxMJM0
『小湊……るう子か』
「はい」

それは蛍の声。

『解った。我々は今分校にいるが、あなた達はどうする?』
「俺達は……今からそっちに向かおうと思う」
『そうか。では我々もそちらに行こう』

そうした方が早く合流できるかと3人は合意する。

「そうだな。頼むぜ」
『そちらこそ』

静雄は蛍にスマホを渡すと、彼女は電話の向こうに声をかける。

「じゃ、またねれんちゃん!」
『うん、またなん!』

通話が終了した。
静雄と蛍はさっきと比べ晴れやかな表情で立ち上がる。

「ちょっと、待って」

とエルドラは2人にストップをかけた。
机の上には1枚の黒カードがある。
静雄はそのカードを捲ると裏面には支給品 蝙蝠の使い魔の詳細が書かれていた。

「私をその蝙蝠に触れさせて来れませんかね?」
「何でだ?」
「ちょいと思い当たる節がありまして」

静雄は黒カードから蝙蝠を出し、蛍はホルダーからルリグカードを出す。
欠伸をした蝙蝠にエルドラは触れた。
すると蝙蝠は青白く発光し目をぱちくりさせた。

「これは……?」
「うーむ。静雄さん、ちょっと戸を開けてもらえませんかね?」

静雄は戸を開けると、蝙蝠は飛び立ち暗闇へと身を躍らせる。

「おい」
「……おー、見える見える」
「あのエルドラさん、もしかして」

ある事を記憶している蛍はエルドラに問いかける。

「どうやらこの子、シグニと同じように扱えるみたいっすね」
「シグニ?」
「ルリグの使い魔……って言って良いのかな?みたいなものです」

ルリグは稀にだが触れた物体を自らの眷属 シグニへと進化させる事ができる力を持つ。
ゲームとしてだけではなく創作小説としてのウィクロスにも詳しいエルドラだからこそ思い至った発想だった。


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