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仮投下スレ

840New Game ◆WqZH3L6gH6:2017/02/20(月) 06:55:40 ID:PrdeHxpA0

アザゼルはぼんやりとした様子でかつてヴァローナが所持していたカードキーを眺めている。
時は既に第三回放送後、解禁された効果欄にはこう書いてあった。

『研究室のシロという名称のモニターに、このカードとルリグカード1枚をかざすべし。
 その際使用したルリグカードは運営に回収されるので注意されたし。
 条件を達成すればこの場における夢幻少女と同様の特典が得られる。ただし行った先での戦闘行為は禁止。ゲームのみ。
 一度このシロを利用した場合6時間は使用不可となる。新たなカードキーは会場のどこかに再発行される
 このシステムの存在は一度使用した後に腕輪等を通じて全参加者に通知される』


セルティは全てが徒労かと空を仰ぎ見るが、実の所希望が残り収穫もあった。
タマヨリヒメの特異性が消えたわけではないから。
アザゼルはタマからるう子も知らない真実を一つ教えられている。
それはるう子が夢幻少女になるのに失敗したセレクターバトルで、繭が直にタマと精神的接触を行った事。
通常の夢幻少女は繭の元に行った所でルリグへ変えられるだけ。
だがその時の繭は夢幻少女の誕生を阻止しようと動いていた。
つまりタマヨリヒメが繭に対するワイルドカードに近い存在であるのは間違いないと言う事ではないかと。
カードキーを使うにしても、セレクターバトルを実行するにしてもタマがいなければ意味が無いのは一同の共通認識だった。

「セルティ」

アザゼルは何とか立ち直ったのかセルティに宝具を返し、これからの予定を告げる。

「俺は小湊とタマヨリヒメを探す」

向いた先は北方。


『1人でか?危険すぎる』

一同はチャットでのDIO達の書き込みを確認している。
闘技場方面に行けば挑発に応じたDIOがいる可能性が高いと推測できた。

「誰が馬鹿正直に戦うと言った」

そう吐き捨てながら、アザゼルが取り出したのは古びた弓矢。

『それは』
「どうやら奴にとって大切なものらしい」

セルティはアザゼルの狙いを察知した。交渉するつもりか。
DIOとの和平は園原杏里達被害者の事を思うとセルティには受け入れられない。

「付いてくるな」

振り向かずにアザゼルは別れを告げようとする。
彼―悪魔達に人の気持ちは解らない。
だが恥という概念はあり、無能者を嫌う傾向も強い。
だからこそ所持品の幾つかをセルティらに譲渡したのだ。
失敗を重ねた自分自身をそのままにしておけなかったから。


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