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仮投下スレ

837New Game ◆WqZH3L6gH6:2017/02/20(月) 06:54:00 ID:PrdeHxpA0

アザゼルが腕輪をこつこつと叩きながら冷徹に告げる。

「カードから魂を解放する術を得ない限り、ああいったケースの場合喰った奴の魂を解放してそれからの話だ」

セルティは絵里を気遣いながらアザゼルに質問をぶつける。

『腕輪を解析するのは可能なのか?』
「無理だ。何の力も感じ取れんし、こちらの力も通らない」
「つまり」
「生者も死者も区別なく腕輪の防御機能は同等としか取れん」
『だからセレクターバトルに注目したのか……』

フンっとアザゼルが鼻で笑った。
絵里は心非ずといった感で何かに気づきうわ言のように呟く。

「という事はアザゼルさんはまだ魂が入っていない、死者の腕輪を手にしていない……」
「絵里さん!」

その言を意味することに気づいた緑子が思わず叫んだ。

「ほぅ」

アザゼルが喜色の混ざった歓声を上げる。

「成る程な、確かに俺はそういった腕輪を手にしていない」

セルティはゆっくりとした動作で絵里の方へ向いた。

『私達は埋葬手伝ったけど、腕輪に変化は無かったように思えた。徒労に終わるかもしれない』
「……」
『でも、それでも腕輪を調べたいなら、友達の腕を』
「……お願いします」

しばしの沈黙。

『悔しいんだな絵里さん』

絵里ははっきりと頷く。
熱気を帯びた瞳はちょっと綺麗で泣いたように歪んで見えた。
セルティにはその瞳の中に執念のようなものを感じ取った。

「ふっ、そう言えば南の温泉街に同じ制服を着た参加者の死体があったな」
「!」
『アザゼル!』

「カードを回収していないし、余裕があったら行ってみたらどうだ?」
「……」


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