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仮投下スレ

836New Game ◆WqZH3L6gH6:2017/02/20(月) 06:53:39 ID:PrdeHxpA0

彼より前に診察を受けた夏凜は仰向けに寝転がっていた。
額には小屋で回収したタオルが当てられている。抵抗はなかった。
看病するかのように絵里が側に付いている。彼女の顔も辛そうに変化していた。

クリスは緑子のカードを持ってアザゼルとセルティの近くで浮いている。
セルティは絵里に合図を送った。少女の手には綺麗な鞘がある。
アザゼルはそれに目を奪われる。セルティは前進し動きを遮る。
彼の顔が不満に彩られる前にセルティは切り出した。

『お前にどうこう危害を加える訳じゃない』
「ほぅ」

脅しに近い発言に、彼の声に怒気が篭もるが怯まず彼女は続ける。

『ただ殺し合い打破の為、今ここで真剣に話をしたい』
「……はっ、セレクターもタマヨリヒメもいない状況でか?」

セルティは黙ってもう1枚の黒カードを出す。そして言う。

『もし絵里ちゃんや緑子に危害を加えないと約束できるなら、ここでその怪我を治させる』
「……力づくという手段では俺に損が多いか」

セルティの影が周囲に広がり立体化し宙を漂う。
影の脚の一つには黒カードが挟まっているのが確認できた。
夏凜が悪魔を横目で見ている、その姿は既に勇者へと変じている。
気狂いも同然に見られながらも目に篭もる闘気は以前衰えていない。
相手の手の内と狙いが見えない以上、仮にここで鏖殺できたとして得るものは少ないと悪魔は考える。
強硬に近い態度に出たのは尋問よりも安全と計画の確認を意識してのものだろうと彼は判断した。

「いいだろう」

アザゼルの了解に、絵里は鞘をセルティに渡す。

『後で返せよ』

念を押しつつ鞘をアザゼルに渡す。
鞘を傷に当てると徐々に確実にアザゼルの傷が癒え始める。

「……!」

宝具の力に感嘆しながらアザゼルはセルティ達の言葉を待つ。
その時、割り込むように絵里はアザゼルに訪ねた。

「アザゼルさん。第一回放送の内容覚えていませんか?」
「覚えているが」
「……食われた魂を助けることはできるんでしょうか?」
「……わからんな」
「!?」
「魂喰いとでもいうのか、俺が知る限りあの手の能力には個人差があって可能性もそれぞれだ」
「じゃあ……」
「だが今は無理だな


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