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仮投下スレ

819【紡ぐ者】 ◆WqZH3L6gH6:2017/01/29(日) 13:10:41 ID:u./WxJ8Y0
グラスを指で弾いた綺麗な音がした。


(聖杯の再現)


グラスにまた液体が注がれる。今度は水だった。
オスロは苦々しい顔で過去を思い出す。


(聖杯は出現したものの我々の思っていたのと異なりまともに起動させる事はできなかった。
 なのにそれを今は滅びたあの連中がそれを強く欲し、それがきっかけで内紛が始まった)



オスロは左足で右足を踏み、苛々するかのようにその動作を繰り返した。


(……あの勢力を相手によく生き残れたものだ。回復後の繭がバハムートのカードを得ていたのが幸いだった。
 ……まぁ『奴』が味方にいたのも大きかったがね)


今度は右足で左足を踏む。


(『奴』主導で異世界における白窓の部屋の増築と拡大が行われ。
  私は敵対勢力への繭の隠匿。本性を隠しての異世界の有力組織との交渉を担当した)


オスロは2つの窓を見る。
地下道を行くDIOとヴァニラ・アイス、ラヴァレイと小湊るう子とウリスの姿が映し出された。

(結果。今は神樹の一部や『あの方』が命を捨てて聖杯――『システム』の一部になってくれたお陰で
 私はこうして生きている)


右足を左足から離す。
オスロの顔には歪んだ笑みが浮かんでいた。


(連中や『奴』を含めた力と勢力が制限されたお陰でな)


オスロは水を飲み干した。
彼の笑みは余裕のあるものに既に変わっている。


(とはいえ、このままでは私の組織も機能せずに朽ちてしまう。
 何としてもこのゲームで決着を付けなければ)


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