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仮投下スレ
775
:
Nothing But a Dreamer
◆X8NDX.mgrA
:2016/09/08(木) 21:31:07 ID:mah/nPlc0
(ヒース・オスロ……。魔術結界を張ることを依頼してきたのは其方だというのに、どういうつもりだ?)
その後、オスロと出会い依頼内容を確認した時臣は、その容易さに拍子抜けした。
依頼とは、殺し合いを隠蔽するための装置、すなわち結界を張るだけだったのだ。
それ自体は当然だろう、と時臣は感じていた。
魔術は秘匿されるべきもの。魔術師の鉄則を厳格に守る身としても、遊戯の隠蔽自体はなんら不自然に感じない。
しかし、その結界を張り終え、殺し合いが本格始動してからが問題だ。
(セイバーの『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』により病院は倒壊。
それに、度重なる戦闘の結果として放送局は崩落。
結界の基盤とした四か所のうち二か所が、既に修復が必要な状態だというのに……)
確かにオスロの言う通り、結界は基盤の全てが壊されるまで効力を持ち続けるが、それでも限度がある。
危うい状態で放置するのは、隠蔽という本来の意図を外れている。
時臣は目の前で悠然と構える男を観察した。
魔術回路の脈動を感じることはない――つまりは、魔術的素養を全く持ち合わせていない。
油断のない物腰から、完全なる一般人ではないと見受けられるが、それでも魔術とは無縁の生き方をしてきたに違いない。
(……この男は魔術を軽んじているのだろう。
大方、結界の重要性もそれほど考えていないに違いない)
魔術のいろはも知らずに、上からの命令を聞いているだけ。
結界の修復は頼まれていないからする必要がない――時臣には、オスロがこう考えている怠慢な人間に見えた。
(となると、根源への到達もいよいよ信憑性が薄くなる)
オスロ自身が殺し合いの主催者に利用されるだけの存在ならば、その口から出た根源への到達はおそらく虚言。
全ては時臣を釣るための文句だったと考えられる。
「そう睨まないで欲しいな、ミスター時臣」
「これは失敬。しかし、私は魔術師として不十分な結界を放置するというのは看過できない。
依頼された仕事であれば猶更のこと。それは理解して頂けるでしょう?」
時臣は半ば高圧的に、結界の修復作業を認可させようとしていた。
オスロに説いた意図も確かにあるが、それ以上に時臣自身の矜持が、おめおめと退室することを拒んだのだ。
すると、ため息をついて、オスロは椅子に深くかけた。
「……少し話し合おうじゃないか。今後のことも含めて」
「ありがとうございます」
時臣はオスロに促されて、机の前にあるソファに腰掛けた。
オスロが傍に立つ青年に「お飲み物を差し上げなさい」と命じると、青年は時臣に一礼し、足音も立てずにドアから出て行った。
まるで御三家の一角、アインツベルンのホムンクルスを思わせるアルビノ。
オスロと同じく魔術の脈動は感じないものの、何か妙な雰囲気を漂わせている。
時臣の直感は、青年は単なる執事役ではないと告げていたが、今は指摘する理由も必要もない。
そうこう考える内に、オスロが改めて話を切り出した。
「さて、ご協力には感謝しているよ、ミスター時臣。
この殺し合いには魔術に関わる参加者もいる以上、君のように優秀な魔術師の存在は不可欠だった。
とはいえ結界を張り終えた時点で、君から得たい力添えは充分。
あとは結果を待つだけだ。君の求めるものが、いずれ掌中に収まるときが訪れるだろう」
暗に結界の修復作業は不要だと告げたオスロ。
話をはぐらかして終わらせるつもりだと時臣は察知して、別の問いをぶつけた。
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